野:当然あの初めて面会をし、いろんなものをもらって、ご機嫌で帰った元親なんですが、

領知判物はもらってないんです!それが一番大事なことなのにそのことは前に進まない。ということはまだ仮の状態なわけですよね。もっとこれから自分に対して、豊臣家に対しておまえは奉公しなければいけないんだぞ、そういう覚悟を結局させられた面会だったということになりますし、実際に秀吉から山のような注文が来ます。

 

パ:山のような注文?一体それはどんな内容なんでしょうか?

 

野:果てしなき奉公。すなわち土佐の宝物をだせということです。

 

パ:土佐の宝物?といいますと?

 

野:人材と材木ということになります。

 

パ:材木はわかります。人材といいますと?

 

野:船乗りです。

 

パ:船乗りですか。それはかつてその秀吉が欲しがっていた水軍というところにもつながりがあるんですね。

 

野:中国・四国攻めはほぼ意のままになった。

秀吉にとって次どこを目をつけているかと言いますと。

 

パ:九州ですか?

 

野:もちろんです。九州と関東の後北条ということになりますね。

九州では島津が北へ北へと進撃を開始していて、もうすぐ九州全域をね、制圧しようかという勢いを示しておりますから、まず九州に目をつけるわけです。

 

パ:はい。その九州に軍勢を渡すためにはやはり水軍、船が必要なんですよね。

 

野:莫大な船が必要ですし、それから船は人が動かします。船頭がいります。それから船は漕ぐ人がいる。あるいは船を作る人がいるわけです。その全ての要件を持っているのがやはり土佐の国なんです。

 

パ:ですからその分でまず長宗我部元親に対して秀吉は注文を出した。

 

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