ほんとに何とかなってるのかなあー | 音楽リスナーとPCユーザのための著作権パブコメ準備号

ほんとに何とかなってるのかなあー

「PSE問題を考える会(小川浩一郎代表)」記者会見配布資料(2006年3月24日午後4時15分 経済産業省にて)
http://www.hatatomoko.org/pse-komento.html


1) できるだけ早く検査しPSEマークを付する事ができるよう、可能なかぎり、検査機器の無償貸出しなどの支援策を広げるとともに、検査機器の使い方や届出書類などの作り方の講習会を日本全国でできるだけ早く開催していただきたい、と要望し、了解されました。

2) 販売後の検査やレンタルなどの工夫をすることによって、現実に在庫として抱えている中古品の販売が継続できることを当局に要望し、了解されました。我々はこれにより実質的に猶予期間が延長されたものと理解しています。

3) 事業者間での中古品の取引きについて、PSEマークを付さなくとも取引きできるようにしてほしい旨要望し、最終的に国内に販売することが、明らかになっていない流通の途中の段階では、マークが不用であることを確認しました。

4) その他、手続などについてリサイクルショップの相談に経済産業省は、丁寧に応じてほしいし、さらなる制度の周知徹底に努めてほしいとお願いし、了解されました。

5) 中古品のリユースという事業が社会的に重要であり、リサイクル社会を支える不可欠の産業であると認識していただき、4月1日の法施行後も電気用品安全法をどう扱うのかを、リサイクル事業者と連携しつつ、今後引き続き議論してほしい、と要望し、事業者の立場、消費者の立場をきちんと理解し、安全が大事だという法律の趣旨を尊重しつつ、今後とも経済産業省と話し合いを継続していくということで意見の一致を見ました。

以上の事で事実上、猶予期間の延長を勝ち取ったと理解しています。なお法律の見直しは、引きつづき要望して参ります。

「PSE問題を考える会」の皆様、お疲れ様です。ねばり強い交渉が形となったことに、GJ!であります。でも、考える会が中古販売業者全部の団体ではないんだな。これでよしとしない業者もあるはず。考える会に、どれくらいの数が参加していて、どれくらいの規模の団体が中心なのかということは、明らかにして欲しいところです。



中古品 販売容認へ方針転換(NHKニュース 2006..3.24)
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/03/24/d20060324000168.html

中古品については、販売業者と買い手との間で商品を受け渡したあとに安全性の検査をすると約束することを条件に、これまでどおりの販売を事実上認めることを明らかにしました。経済産業省では、商品の受け渡しから検査が実施されるまでの間については、商品が販売されたのではなく業者から貸し出したものとみなすため、この制度で禁止される対象にはあたらないと説明しています。検査をすればPSEマークを付けることができますが、検査が実際に行われるかどうかを国として確認する方法はなく、経済産業省では、販売業者側の善意に委ねたいとしています。さらに、こうした措置については、不足している検査機器が行き渡るまでの暫定的なものとしていますが、特に期限は定めないということで、これによって、経済産業省は、PSEマークのない中古品の販売を認めないとしてきたこれまでの方針を転換したことになります

経済産業省と考える会の代表が同席しているようですが、上記資料とびみょーに異なります。

PSEマーク中古品は不要に・経産省が方針を転換 (日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20060324AS3S2402224032006.html

 経産省による措置の柱は2つ。まずレンタルする製品へのマークは不要としている法律の解釈を広げる。業者がマークのない中古の電気製品を売った場合でも、それはマーク取得に必要な漏電検査のための機器が行き渡るまでの間、貸し出したものであり、所有権は業者に残っていると見なす。

 業者間の取引については、輸出用の中古品は対象外とした条文の解釈を緩める。国内向けか輸出用かが明確でない場合は、輸出向けの可能性もあると見なしてマークなしの流通を認める。


PSEなし中古家電の販売、事実上容認 (読売)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060324it15.htm

経産省は、今回の措置は検査機器が行き渡るまでの当面の措置としており、レンタル期間終了後に、自主検査でマークを取得してから無償譲渡するよう求めている。

 しかし、レンタルする際に契約書を交わすことなどは義務づけず、レンタル終了後に自主検査を実施したかどうかも販売業者の善意に委ね、積極的なチェック体制は取らない方針だ。

PSEなし中古家電、実質販売OKに 「後で検査」前提 (朝日)
http://www.asahi.com/life/update/0324/009.html

消費者がPSEマークのない中古品を買う場合、販売業者による検査を受けてマークが付くまでの間は、販売業者側が引き続き商品の所有権を持つ形になる。所有権が業者側にある間は、修理などの費用は業者が負担するほか、廃棄する場合の処理費用なども業者側が負担する

経産省、PSE運用緩和 中古品の販売、当面容認 (産経)
http://www.sankei.co.jp/news/060324/kei118.htm

PSEマークのない中古製品を海外に販売しやすくするため輸出業者にはマークがなくても販売を認める。




1)を見ると、最終的には自主検査によってPSE表示という線は、考える会としては了承しているように思えます。これは猶予期間の延長すなわち周知期間の延長であり、「法律の見直し」もこの路線を踏襲するのであれば、整合性を取るための調整のための法改正となります。個人的には、猶予期間延長により中古販売についての再検討が望ましいと思うのですが…。中古販売によって安全性が損なわれるかどうかの議論抜きに、これまで実態がなかった中古販売時の規制が導入されることになってしまいます。
さて、この場合では、PSE表示後の他の法律との整合性や訴訟リスクが残ります。絶縁耐圧試験時の発火事故の場合の責任の所在はどうなるのでしょう?

2)「販売後の検査やレンタルなどの工夫」というのが報道にある脱法行為であるとして、レンタル中の事故の責任がどうなるか、検査は(名目上だけでも)誰が行うかなどが明らかではありません。期限を定めないまま「修理などの費用は業者が負担」「廃棄する場合の処理費用なども業者側が負担する」というのは、いかにもトラブルとなる可能性があります。

どうも、いろいろ困ったことが生じる可能性、この運用が悪用される可能性が、十分潰されていない恐怖を感じます。

参考:
正々堂々blog :電気用品安全法 その18(あと1週間)
http://blog.goo.ne.jp/kawauchi-sori/e/5b918868f4851182bff62dce69924e57
よっぱ、酔っぱ:正直者がバカを見た。
http://yoppa.blog2.fc2.com/blog-entry-264.html
ふっかつ!れしのお探しモノげっき:PSE法、これって、実にグデグデな猶予期間到来なのかね、それとも。
http://blog.drecom.jp/ecolin_profile/archive/730
著作権云々編:PSEマーク中古品は不要に・経産省が方針を転換
http://johnny3.blog3.fc2.com/blog-entry-203.html