おねがい

昭和という年代は1989年から1926年まで63年間続きましたが、

私が青春していたのは1970年代です。

その1970年代。

当時高校生だった私の初恋の女性K子さんは

天理市で知り合ったある男性を好きになり、

東京に戻ってからは一方的な長距離電話が日課となっていました。

10円玉がボタボタ落ちる公衆電話。

その受話器を握り締め、彼女の胸に去来したものは何だったんでしょう。

昭和。今思えばその時代は不便の固まりです。

でもそれを生きた人々は、今でも昭和を愛しているはずです。

 

そしてもうひとつ。当時女神さまのように崇めていた私の初恋の女性。

彼女もまた、昭和を生きた女性でした。

風の噂によると、今はたくさんの孫に囲まれて静かな日々を過ごしているそうです。