宇宙詩人 第六回【青冬】出逢ったのはまだ暖かかった頃で一緒にあの暑い熱い夏を過ごした自転車の二人乗りで見た大きな虹濡れた髪を乾かさずに見上げた星丘の上から眺めた燃え上がる夕日枯葉の一枚一枚が揺れて地に落ち湖沼に浮いたまま眠るかいつぶりいつしか窓の外は一面真っ白な雪青い霧氷の粒が樹木を覆い隠す頃君の心はどこか遥か遠くへ行った雪を溶かす前に僕の心だけが溶けそれ以外は依然ずっと凍ったまま忘れられないのではなく忘れない季節の中に埋もれゆくものはあるそれが永遠