【用具】TIBHAR社製【1Q】のレビュー | 働くカットマンのチラ裏卓球ブログ

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【現在の使用用具】
ラケット:ビオンセロ (特注グリップ/ニッタク)
F面:ディグニクス09C (特厚/バタフライ)
B面:バーティカル20 (特薄/STIGA)

ちょっと前に某所で投稿したレビューをやや改変して掲載します。
とっても良いラバーでしたが、リピート購入する時にたまたま品切れだったため、結局テナジーを使い続けているという現状。


【レビュー対象】
1Q 2.1mm/赤 (バタフライ表記でトクアツ相当)

【注意点】
公式HPに「ブレード面の長さ163mm、幅154mmのいずれかを超えるラケットには使用できません。」という注意書きがあります。
ですがこれ、気にせずともOKです。
ちょっと調べると、販売当初は四方にTIBHAR社のロゴが刻印されており、そのロゴが邪魔になって貼り付けられるラケットのブレード幅に制限があったようです。
しかし、切型調整されたのか、私が購入したものについては、ロゴの刻印は貼り付け部分の根元のみ(通常ラバーと同様)であり、自分の使用しているビオンセロはブレード面が164mm×154mmですが、3方向に1cm弱ぐらいの余裕がありました。
ブレードの大きいカットマン用ラケットでも、気にせず購入できるサイズです。

【重量】
ラケット貼り付け直前(カット後)の重量です。
1Q(2.1mm)…50g
テナジー05FX(特厚)…49g
ほぼ重さに差はありませんが、テナジーシリーズ自体が重めですので、ラバー全般の中では重い部類です。
テナジー無印シリーズを使っている方にとっては、スポンジ厚が同じなら軽くなるかと思います。

【硬度】
実際に打ってみると、シート硬度の割に「柔らかい」と感じました。スポンジは柔らかめです。
「硬い」という話を聞いていて、05無印が硬すぎると感じる自分でも扱えるものかな…と思っていましたが、05FXと同等かほんの少しだけ硬いかな?程度の食い込みです。
スポンジを薄くする程シートの硬さの影響が出てくるとは思いますが、ハードヒッターでなくとも十分扱える硬度でした。

【弾み】
全体的には05FX新品以下、05FX使用後1ヶ月弱経過して前加工効果が切れ、落ち着いた時以上というぐらいの弾みです。
最も弾む部類のラバーかと思います。
ただし、弱インパクト時の弾みはテナジー64と同等ぐらいに感じます。
そのため、後陣からのフィッシュやロビング等の技術は、相当楽に飛ぶなと感じました。

貼った直後より1週間程してからの方が弾むなぁと感じたのは気のせいでしょうか…?

【ドライブ】
食い込ませて打つ人向きで、シートで擦って回転をかけるタイプの打ち方だと飛距離が安定しませんでした。
パワーヒッターの方が当て擦って打てば、テナジーに引けを取らない質の高いボールが打てるかと思います。

1Qの特筆すべきポイント。それは初期弾道の高さと適度な球離れ。
回転量は間違いなくテナジーよりもやや劣ります。しかし、スイング方向に対してテナジーよりも弾道が高く飛び出します。
上方に強く打ち出された球が、やや放物線を描き相手コートに刺さるような軌道になります。

テナジーは「強制的にボールを掴み続け、相手の回転の影響を超える回転をかけて自分のボールにする」という独特の感覚がありますが、
1Qの場合、「回転の影響をあまり受けず、スイングした方向に持ち上がり、自分が思ったところで球が離れる」という、また独特の感覚があります。

上回転に対しては、ちゃんと球の上を擦ってさえいれば簡単にカウンターが刺さりますし、下回転は驚くほど簡単に持ち上がります。
裏ラバーでこれほど回転の影響を受けづらいものはあまり無いかと思います。
後陣からでも打点を下げても、初期弾道が高いために十分な威力が出せます。

インパクト時の感触から非常に着弾点をイメージしやすく、思ったところにボールが飛ぶため、非常にコントロール性能が高いラバーだと思います。

【スマッシュ】
テナジー以上に球が上方に打ち出されるので、オーバーミスに注意したいところです。
回転の影響を受けづらいことと初期弾道が高いことを考えて、少しだけ上を擦り気味にしっかり振っていればスマッシュが刺さります。

カットマン目線で特に楽に感じたのが、下回転系のボールに対するスマッシュ。
よくあるのが、中~後陣でカットを引いている時に、相手のツッツキ・ストップが甘くなって浮いてきたシーン。
テナジーだと直前の自分自身のカットの回転量と相手のインパクトをしっかり考えないといけませんが、
1Qなら多少手打ちでパチーンと弾いても入ります。

ただし、球離れが早いためか総じて球は軽めで、当てるだけで返球されやすく感じます。少し上を擦っている影響もあるかな?
全力で抜きに行くのも良いですが、コースを読まれてラケットに当てられてしまうと簡単に入れられてしまう場面があるため、どんな場面でも連打するつもりで打った方が良いですね。
少々力を抜いても十分なスピードが出ますから、最終的に自分の得点になります。


【ブロック】
回転の影響をあまり受けないので、コントロールしやすく感じます。
弾みはしますが、浮くという感覚ではありませんので、すぐに慣れます。
また、テナジーのようにちょっと擦るだけで簡単に伸びるブロックが出ます。
攻撃型の選手ならフォアバック両面で使用できるラバーかなと思います。

【ツッツキ】
しっかり切れます。
さすがにテナジー程の切れ味はありません。しかし、少し食い込ませながら擦ると、低弾道で伸びていきます。まるで滑るように相手コートに刺さります。
相手にとっては回転量以上に打ちづらい球質になり、詰まったループを打たせてカウンター…という展開にもっていきやすいですね。
乗せてナックルにするのはやや難しく、繊細なタッチが必要だと感じました。表面で飛んでっちゃうからですかね。

【ストップ】
あまりテナジーと変わらない印象です。やや回転の影響が少ないのかなと思いますが、そこまで感覚的な差異はありません。
十分止まりますし、切ることもできます。が、特別やりやすい!という訳でもありませんし、弾みには注意です。

【フリック】
好感触です。
やはり球離れが良いため、あまり相手の回転にナーバスにならずに、簡単に弾くことができます。
擦るフリックを多用する方は、テナジーの方がやりやすいと思います。1Qだと、摩擦が不十分なまま飛んでしまいます。
球の出足は速いですが、球質は軽めですので、上回転のラリーに持っていくのに使うのが良いかと思います。

【サーブ】
薄く擦った時の回転量と球持ちは、やはりテナジーシリーズの方が上です。回転量は少し落ちました。
また、その分下回転系の球足が長くなりがちです。が、修正できる範囲ですし、十分な回転量は持っています。

好印象だったのはロングサーブです。
テナジーだと摩擦がしっかりし過ぎていて、フェイントモーションのフォロースルー時にまだボールが引っ付いて変な方向に飛んでしまうミス(下手くそ)が発生しやすいのですが、
1Qは球離れが適度ですのでしっかり弾くことができ、特にフォアストレートへのロングサーブに自信が持てました。

【カット】
ドライブの弾道の高さとは打って変わって、カットの弾道はかなり低く出ます。
スイングの軌道とボールの飛ぶ方向が一致するイメージでしょうか?テナジーのような浮き上がりはあまりありません。

すーっと伸びていくようなカットも、思いっきり抑えてゆっくり飛ばすカットもどちらも可能です。
が、ゆっくり飛ばすにはテナジーよりも多少球を選ぶ必要がありました。
球質はツッツキと同じく、回転量はテナジーより劣るものの、低く伸びていく弾道になり、
回転量以上に打ちづらいボールとなり、これで相手を追い詰めていくスタイルになります。
カットの最大回転量を重視する方には物足りないかも知れませんが、少し横を擦ることで十分に切れます。

ナックルカットは、テナジーの場合球を持ちすぎるので、露骨なスイングになりがちですが、
1Qは球持ちをコントロールしやすく、切る切らないの使い分けが容易で、見分けにくいですね。
通常のカットが伸びていくため、弾道も見分けづらいかなと。

【バック面への影響】
テナジーを貼っていた時と影響の程度はあまり変わりません。
フォア面のラバーによるバック面の影響は確実にありますので、テナジーと一緒ということはつまり、
あまり弾まないラバーから1Qに乗り換える場合、バック側が同じラバーであってもより弾む可能性があります。


【総評】
攻撃型の方にとっては、万人受けするラバーかなと。
テナジーの独特の感覚が合わない人や、正統派ドイツ系ラバーの進化系を求めている方は試してみてはどうでしょうか。

カットマンの中では、攻撃・守備・変化のうち、攻撃か変化に重きを置くスタイルの人向けです。
守備を一番に据えるタイプのカットマンにとっては、性能とスタイルとの不一致に悩むと思います。

総じて非常に高いレベルで安定しているラバーでした。

ラバーの色がちょっとピンクがかっているのも好きですw


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