雨 の 日 の 男 | チョップリン西野恭之介オフィシャルブログ「タバコとアイスコーヒー」Powered by Ameba

雨 の 日 の 男

10/30(金)京橋花月
ビーフケーキ近藤くん作の芝居[髭を剃るムスメ]にゲストで出演致します

来れる方は是非来て下さいね!


さて、今日は「川田君」という人の事を書きたいと思います!

川田君、元気でやってるんでしょうか?

この人との出会いは9年くらい前になります!当時の警戒指数の変化と共に読んで下さい


ある晩、公園でネタ合わせをしていると雨が降り出しました…藤棚の下のベンチに座りながら雨を凌いでいると、遠くから傘をさした男がゆっくりとゆっくりと近づいて来るではありませんか…[警戒指数5]


時間は深夜、人気の無い公園、強い雨、近づく男


不気味としか言い様がないです…まるで映画「GONIN」の中で、傘をさしながら拳銃を撃ちまくるビートたけしさんの様です…


ヤバいな…
こいつヤバそうだな…
と見て見ぬ振りをしていると…

そのままゆっくり藤棚に入って来ました…[警戒指数7]


髪型は坊主、灰色のスウェット上下、裸足にツッカケ姿…ふらっとタバコでも買いに出る格好でした…格好は別段何も思わなかったのですが…彼のその顔面が更に不気味さを煽ったのです…といっても恐ろしい顔の持ち主とかでもないんです…


年齢不詳なんです…


パッと見て年齢が分かればそこまで不気味ではないのですが、見れば見る程年齢がわからない顔と言いましょうか…
それが一番不気味な要素でした…[警戒指数8]


広さ6畳程度の藤棚に知らない大人二人が居るにも関わらず、普通に入ってきて傘を畳み出しました…狭い空間に三人…
我々の近づくなオーラをものともせずテリトリーに侵入してきました…「何じゃこいつ…」と唖然としていると…


いきなり…


僕の真横に座ってくるではありませんか!!
それに驚きスッとベンチから離れる小林!!この時の小林の警戒心は小動物同等でした!
僅か数センチの距離に座るが全く目も合わせません!
何食わぬ顔で座ってきました![警戒指数10]


こいつ…距離感がまるでなってないぞ!?しかも黙ったまま座りやがって…


そして三人ともただ黙ったままの変な空気になりました…


ここは茶室か!!?
と怯えつつではあるが段々腹が立ってきた時…


「…酷いですね~…雨…」


と雨空を見ながら呟いてきました!!


そして小津安二郎の独特の間のようにまた黙る三人…


確かに…雨宿りを共にしたら、第一声は「酷いですね雨」が妥当ではありますが、周りには他にたくさん雨を凌ぐスペースはありますし、異常な空気を放っている癖に第一声があまりにも普通なため、余計不気味さが増幅しました…[警戒指数10]


このままイニシアチブを握られてはいかんぞ!!と遅ればせながら…「そうですねぇ、降ってきましたねぇ」とたっぷりの間で言い返すと…


急にゲロを吐きました!!
真横で「エレエレエレエレ」とゲロを吐き出しました!!


え~~~!?もうなに~~!?

頭の中のサイレンが鳴り響いた瞬間でした!!
[警戒指数MAX]


「大丈夫すか?」「大丈夫すか?」と僕らが介護…水を買って渡したら、砂漠で遭難したかの如く一気飲みです…


マジかこいつ?
えっ?酔っ払いなの?
と背中を擦ってやると…


「いくら?」「水いくら?」
と直ぐ金を返そうと必死になると同時に…そこから矢継ぎ早に喋り出しました!!


こちらは圧倒されるばかり…
僕には主導権の主の字もありませんでした…


3時間に渡っていろんな話を聞かされました…大体どんな人か分わかりました…
印象深い話を幾つか紹介します…


・二岡の髪型を目指し現在伸ばしているということ
「二岡渋いよね?」と同意を求められた時、笑いを我慢出来ませんでした…


・MCハマーのダンステクニックがあると豪語
6畳程のスペースをフルに使いキテレツダンスを披露されました…途中地面に後頭部をぶつけ一瞬動きが止まった時はドキッとしました…


・年下の彼女がいる
近所のダイエーでナンパしたそうです…19歳で身長143cm…彼女見たかったです…


・三宮に月世界という行きつけのラウンジがあるということ
この日もお気に入りの娘あやのちゃんに会って来たそうです…ここで酔っ払ってたと知る
3年前くらいに三宮を歩いていると月世界をたまたま発見しました!日活に出てきそうな古い店でした…


・お洒落好きでDCブランドが家に溢れているらしい
コム・デ・ギャルソンのダッフルコートをあげると言われ、後にピエールカルダンのスーツを貰う…(コントでサラリーマン役のとき活用)


・家で作詞作曲活動している
後にデモテープを聴かせて貰うが、ほぼ藤井フミヤ全パクリであると知る…唄いかたもフミヤを意識していました…「この曲フミヤにあげたら?」というと「それは勿体無い」と頑なでした…


・口癖が「おめでこー」
話にハッピーな感じが少しでもあれば挟んできます…キムタクがドラマで使った台詞のような気もしますが、きっと月世界で覚えた「乗り」だと思います…今でいう「いうよね~」ではないでしょうか…


・無職ということ
とにかく近所でバイトしたいと言い…「ダイエー無理かな」と悩んでいました…何かとダイエーが話に出てきました…


・3つ年上だということ
当時僕らが24歳くらいなので27歳ということになりますが…18にも30にも見えました…本当に年齢がわかりにくい人でした…


・名前が川田ということ
口頭なので「河田」かもしれません…


一つ一つのエピソードがいちいち面白い川田君

話を聞いている内に、警戒指数は減っていき0になりました


名前を教えて貰った時こっちも自己紹介したのですが…僕の後の小林は何食わぬ顔で…


「西村俊彦です」


と急なる偽名を使いました…
小林の警戒指数はまだ0ではなかったようです…


その後も数回ネタ合わせの公園に現れ、色んな話を聞かせてくれたましたが、ネタ合わせ場所をVOLKSへと移行し始めてから見なくなりました


またあの公園でネタ合わせをしたら川田君が来るかもしれません


川田君の話∞
警戒指数MAX~0