アンジェイ・ワイダとショパン | 「月刊ショパン」オフィシャルブログ

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ピアノ音楽専門誌『月刊ショパン』(http://www.chopin.co.jp/)のブログです。

アンジェイ・ワイダは、ポーランドを代表する世界的な映画監督。
1926年3月生まれなので、現在86歳。

ヨーロッパの映画がお好きな方ならこの巨匠の名前を知らない人はいないのでは。

最新作では、「菖蒲」(原題:Tatarak)が10月20日から東京・神田神保町の岩波ホールで上映予定。
まだまだ現役だ。
http://www.youtube.com/watch?v=8D0c71VEUJc 予告YouTube

初期の作品に1957年にカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞した「地下水道」と1959年ヴェニス映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した「灰とダイヤモンド」がある。

時代は、1944年~1945年の第二次世界大戦末期。
ワイダ監督は、どちらの映画でも、ショパンを演奏するシーンを映し出している。

「地下水道」では1944年ワルシャワ蜂起で部隊に加わった“アーティスト”と呼ばれる男が登場。
兵士らと共に逃げ込んだ空き家でその人物がピアノを見つけ、ショパンのエチュードを弾く。
外は爆撃の音。明日は殺されるかもしれないという絶望のなかだ。

「灰とダイヤモンド」では対照的。場面は、新ポーランド誕生を祝うホテルのホール。
浮かれた紳士がバンドに〝舞曲“をやってくれとリクエストするが、舞曲は知らないと言うバンドマンたち。
その紳士は、ショパンの英雄ポロネーズを弾いて聴かせる。

1830年にワルシャワ蜂起(11月の夜)が起きたとき、ショパンはウィーンにいたとある。
ポーランドに戻ってこの蜂起に加わりたいと願うも、周囲から反対されてパリへ

19世紀、20世紀、21世紀と流れる時間に生きるショパンとアンジェイ・ワイダ
そして、祖国ポーランド

たまには、違う視点からショパンを思うのもいい。

これは古い映画だけれど、ポーランド映画の今に興味のある方は、<ポーランド映画協会>のサイトをお薦めしたい。
http://www.pisf.pl/en/(英語)


            馬月刊「ショパン」11月号は、18日発売。