25日の日経に、『労働紛争、解決金に基準 水準上げへ厚労省導入検討』
という記事がありました。これは、政府が今年6月に決めた成長戦略の
一つとして、解雇を金銭補償で解決する制度の導入を検討するとしたこと
によるものです。
米国、英国、ドイツ、最近ではイタリアなどが導入している制度で先進国
のなかで整備されていないのはほぼ日本だけとなっています。
今回の検討内容としては、大きく次の2種類あります。
1.あっせんの解決金水準引き上げ
解雇や職場でのいじめなど労働紛争の解決ルールを整備する。労使が
第三者を交えて話し合いで解決する「あっせん」に解決金の指針を
導入することを検討する。解決金は15.6万円(中央値)と少なく、
指針を示して引き上げを促す。全国の地方裁判所で開いている労働
審判の開催場所も増やす。紛争の解決手段の使い勝手を良くして、
労働者の泣き寝入りを減らすことが狙い。
2.不当解雇の金銭補償解決
裁判で不当と認められた解雇を金銭補償で解決する制度。
これまでも、「紛争解決に向けた選択肢が増える」と歓迎する経営側と
「運用によっては簡単に解雇できる仕組みになる」と反対する労働組
合側が対立してきた経緯がある。
いずれにしても、労使双方が納得する補償金の基準や制度の
乱用防止策など、慎重に検討を重ねていく必要がありますね。
次回は、現行法制下での解雇についての僕の考え方をお伝え
したいと思います。