小学校5年生のとき
毎年従姉妹同士で、新年会という名の集まりがあった
その日もなんだか朝からムカムカする気持ちを抑えて出発した
旅館に着き挨拶を済ませ、気も抜けた頃再び胃痛が襲う
わたしが具合悪そうにしていると迷惑になることはわかっていたので必死に隠し通した
楽しみにしていた夕飯だが、もうだめだ、母親に部屋で休んでいていいかと了解を得て、ひたすら腹痛とたたかっていた
おねがい、どうにか治ってほしい!
わたしは自分のお腹を叩きながら祈った
部屋の外で従姉妹たちが騒いでいる声が響いた
しばらくして、お酒に酔った父親がきた
「お前のその態度が、みんなの楽しみに奪うんだよ」と怒りながら出て行った
そのあとすぐに母もきた
「お、おかあさんごめんね、」
わたしは謝る
「あっちで寝てなさいよ」と言い
わたしの吐瀉物を片付けて部屋を出て行った
その晩、わたしは3人分の布団が敷かれた部屋で、朝まで1人で過ごした
早朝、部屋の引戸がそっとあく
従兄弟のお兄ちゃんだ
「なあ大丈夫かよ、お前本当にかわいそうだな」と、手に5000円札を握らせてくれた、そのままペットボトルのお茶を枕元に置き、「がんばれよ」と、頭をくしゃくしゃ撫でてから、旅館から仕事に行った
お小遣いなんか貰えないわたしは
その5000円札がうれしくて
お腹の痛みが少しだけひいた気がした