熊野街道（天王寺～住吉大社）後半

２０１８．９．２６
泉南市民歴史倶楽部の例会（史跡探訪）。熊野詣の路シリーズ②
一回目の探訪は八軒屋から天王寺のコースは出席できませんでした。
二回目は天王寺から住吉大社まで、大阪府下の中世熊野古道の唯一の現存王子社と言われる阿部王寺神社をはじめ付近の史跡を巡りながら住吉大社まで、午後からは雨模様で少々カットして歩きました。

今日のコース
　ＪＲ天王寺駅～松虫塚～安倍晴明神社～阿倍王子神社～住吉大社～南海住吉大社駅

午後のスタート。熊野街道（古道）を走る路面電車の阪堺電鉄の姫松駅に来ました。

明治４３年の開業時に建設された駅の待合室です。

レトロな雰囲気ですが結構、凝った造りです。

堺トラムがまたやって来ました。

大正時代に開発された帝塚山の住宅街。

街道から少し西に入った通りに建つ近代建築の洋館が高谷家住宅。

雨脚も強くなり途中、万代池へ寄るのをカットして最終目的地の住吉大社を目指します。
楠木正成が本尊に祈願して正行を授かり、正行が四条畷の戦いの戦勝祈願をしたと伝わる弘法大師の創建とされる天王山東福寺（元は西の街道に面していた）を経由して、

熊野街道に戻り。芋忠本店の東、本店の古い建物の前を通って（写真左へ）直ぐ、右折。

住吉大社の裏（北東）から境内に入りました。

すぐ右手に建てられた種貸社。初辰詣りの第一社です。

種貸社の西隣に西向きに建つ大海神社。

住吉大社の宮司家、津守氏の氏神を祀っています。祭神は豊玉彦命、豊玉姫命。

社殿前に山幸彦が海神から授かった潮満玉を沈めた井戸、玉の井があります。

本殿、渡殿、幣殿は宝永５年（１７０８）に造営されたもので大社の現本殿より古く重要文化財です。
西門は元和年間造営。門から下に下っている石段の昔は海に向かって崖になっていた名残です。

本宮の方へ行く途中、住吉神宮寺跡の石碑がありました。天平宝字２年（７５８）孝謙天皇の勅願で創建され、当時は新羅寺と呼ばれ大社を管理していたようですが明治初期に毀釈されました。

住吉神宮寺跡の碑の先に住吉御文庫があります。

京坂江の三都版元有志が出版初版本を奉納したそうで大阪最古の図書館と言えます。

享保８年（１７２３）に建立され、住吉御文庫講が運営していましたが大阪天満橋の御文庫講と合併して大阪書林御文庫講となったそうです。

いよいよ本宮へ。手前から第二、第三本殿です。

それぞれの祭神は中筒男命、表筒男命です。

その奥に文化７年（１８１０）の造営の第一本宮幣殿。祭神は底筒男命です。
住吉大社はこの住吉三神と第四本宮に神功皇后が祀られています。

第一本宮の幣殿後ろに本殿があります。

台風２１号で被災し檜皮がはがれて屋根にはブルーシートが。

第二本宮の本殿を後ろから眺めています。

４本殿とも檜皮葺、切妻造り、妻入りの住吉造りで神社建築の最古様式の一つとされ国宝建造物に指定されています。本殿前の幣殿、渡殿は重要文化財です。

神功皇后を祀る第四本宮です。女神を祀っているため他の本殿と千木の切り口が異なります。
千木（ちぎ）は女神の場合、土地と水平にカットされ男神は土地と垂直にカットされています。

表筒男命を祀る第三本宮の千木は土地と垂直にカットされています。

左、第三本宮と右、第四本宮を正面、幣殿側から眺めた姿です。

参拝を済ませ太鼓橋として親しまれている住吉反橋を渡り橋上から表参道の鳥居を見下ろしています。

反り橋を渡って振り返ると。かなりの反り具合。ほぼ半円状。

住吉大社で特に目につくのは石灯籠が大きいこと。

住吉大社を後に、南海住吉大社駅へ。駅の手前、阪堺電車上町線の終点駅だった住吉公園駅の駅舎。

駅名が右書きになっています。建物奥にホーム線路があったようです。

高架になった南海本線の西側には府立住吉公園が広がっています。
正面に芭蕉の句碑が立っているのですが雨が降り続いているため側まで行かずに今日はここで解散。

後半の報告はここまでです

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