2019年9月27日(金)  トルコ トラブゾン

 

 昨晩、ジョージアからトルコのトラブゾンに二週間ぶりに戻って来ました。

 

 今日はまず宿を変え、それからスュメラ修道院見学に行き、そしてトルコ南部、アディヤマンまでの夜行バスのチケットを買いにオトガル(バスステーション)に行きます。

 

 ホテルで朝食を済まし、私はメイダン公園脇のジャーミー(イスラム教の礼拝所)裏にある「Hotel benli」に向かいます。

 

 受付で宿泊費を聞くと、一泊60リラ(1,140円)との事だったので泊まる事にし、いったん、荷物を預けます。

 

 

♡Hotel benliのシングルルーム。必要最小限の設備しかないが、何故か洗面台が狭い部屋の中に。トイレ・シャワーは共同。朝食は無し。WIFI、部屋の中で可。

 

♡部屋の窓からの眺め。今日も天気が良い。

 

 これから向かうスュメラ修道院は、ここトラブゾンから南に約54km行った標高1,200mの所にあり、創設されたのは6世紀だそうで、現在ある建物は14世紀に建造されたそうです。(日本では鎌倉幕府が滅び、足利尊氏によって室町幕府が開かれた時代)

 

 ここは岩壁に残るフレスコ画が見所で、また、川から300mも切り立った垂直の岩壁にへばりつくようにある修道院からの風景は圧巻だそうです。

 

 私は洋品店や土産物屋の並ぶ坂道を下ります。

 

 すると、ドルムシュ(乗合自動車)が何台も並んでいる場所がありましたので、お婆さんに、スュメラ、スュメラと言ってどの車か教えてもらおうとしますと、お婆さんは近くに居た若い女性達に私を連れて行くように頼んでくれます。(トルコ、そしてジョージアでもこんな場面が多くあった)

 

 

♡どうも、昨夜はここに着いたらしい。

 

♡スュメラ行きのドルムシュ。ジョージアもそうだったが車は全てベンツのスプリンターと言う車種。

 

 しばらくして車は出発です。ちなみに料金は25リラ(475円)でした。

 

 これは片道運賃だと思っていたのですが、この車は修道院に着くと、そこの見学が終わるまで待ってくれていて、他にも見所に停まったり、食事場所に寄ったりと、定期便と言うよりミニツアー的車でした。

 

 ここ、トラブゾンは山が海際まで迫っていますが、車はそこを超え、山あいの道をどんどん進んで行きます。そして、坂道になってくると天気も雨模様となります。

 

 深い幽玄峡谷の谷筋の道を登って行きますと、土産物屋や食事何処が何軒か立ち並ぶ場所があります。かって、この辺りはトルコ人が「夢の地」と呼んだ人里離れた所だったそうで、修道士達にとっては絶好の修行の場だったのでしょう。

 

 私達の車はそこを過ぎ、さらに九十九折れの坂を上って行きます。

 

♡途中の小さな滝にて停車。同乗のトルコ娘達。トルコはスラム教が国教だが政教分離なので戒律は比較的緩やか。なのでヒジャブ(イスラムスカーフ)を着用していない女性もかなり居る。ただし、強面のエルドアン現大統領になって着用する人が増えているとか。

 

 車はやがて行き止まりの駐車場に着きました。見学時間を運転手に聞いて崖沿いに設けられた遊歩道を先に進みますと断崖にへばりつくようにアーチ形をした建造物が現れ、チケット売り場もあります。

 

♡修道院は霧に覆われたこの奥。このアーチ形の建造物は水を引くためのものだろうか。

 

入場料10リラ(190円)を払い、中に入りますと何と修復中で作業中の現場しか見る事が出来ません。

 

♡見学はこれでお仕舞。足場の骨組みを見にわざわざ、ここまで来たのではない!

 

 何たる事でしょう。道理で入場料も安いはずです。(係の人が、今、工事中でして・・・、と言ってくれたような)

 

 仕方無いので、不完全燃焼のまま引き返し、途中にあった修道士達の居住跡を見て車に戻りました。

 

 そして、全員が揃ったところで車は元来た道を下り、先程の土産物屋などが軒を連ねる場所で停まります。山の上は相変わらず霧が垂れ込めて何も見えません。

 

 乗客の皆さんはお土産を買ったり、食事をするためにと散ってゆきますが、私は仕方なく、そこら辺を歩いてみます。

 

 すると少し登った所に廃墟のようなものがあったのでそこに行き、ふと、振り返って仰ぎ見ると、つい先程まで乳白色一色だった山肌から修道院が顔を覗かせていましたので慌てて写真に収めます。

 

♡突然、姿を現した、と言った感じ。そして、すぐにベールの中に。ある意味、神秘的。日頃の信心深い私の行いを神が認めお慈悲を賜れたのか、アメン・・・はもちろん、絶対無い。

 

♡本当はここまで行けたのに。

 

 結局、シュメラ修道院は外観を一瞬、眺めただけで終わりましたが見れただけでも良しとしましょう。

 

 明日は世界8番目の不思議と呼ばれるネムルトダーゥ遺跡を見るために夜行バスでトルコ南岸、シリアとの国境方面へ向かいます。