2019年9月20(金)~ トビリシ~クタイシ

 

 今日は、ここジョージアの首都、トビリシからクタイシへ向かいます。

 

 クタイシは、ジョージアではトビリシに次ぐ第二の大きさで人口は186,000人。古い歴史を誇り、世界遺産に登録されているサイトが二つあるそうです。

 

 

 トビリシはジョージア国内でも東よりですが、ここから西にバスで3時間半ほど行った所にクタイシは在ります。

 

 今回の旅行は、これからひたすら西を目指し、最終的にトルコのイスタンブールまで行って日本に帰国する予定です。

 

 私はムツヘタやカズベキに行った時にも利用したディドゥべ・バスターミナルまで地下鉄で行き、広いターミナルですが、すぐにクタイシと書かれたマシュルートカ(ミニバス)を見つけ、乗り込みました。トビリシ・クタイシ間は頻発していて、料金は432円でした。

 

♡クタイシ行きのマシュルートカ。

 

 

 マシュルートカは市街地を抜けると、広々とした丘陵地帯を走り、やがて山間部に入ります。

 

 外を見ますと、眼下に清らかな流れの渓流が望めます。

 

 さらに先に進みますと赤茶けた山肌が散見され出しました。どうやら高速道路の建設のようです。

 

 見るとトンネル工事現場に、〇〇公司と書かれた表示があり、黄色の作業用ヘルメットを被った作業員は中国人のようです。

 

 一帯一路を念頭に置いた工事でしょうか。私は、心中、ジョージアよ、債務の罠に嵌められるでないぞ、とつい思ってしまうのでした。

 

 やがて、クタイシのバスターミナルに到着です。ここに接して立派なマクドナルドの店舗があるので、このバスターミナルもマクドナルドで通用するそうです。

 

 私は小腹がすいたので、ここでチーズバーガーセットを頼んだのですが、受け取る時、可愛いスタッフのお姉さんが、エンジョイしてね、とニッコリ笑って言ってくれます。ファーストフードと言うより、トレンディな料理という感じなのでしょうか。

 

 さて、これから昨晩、ネット予約した「Hostel Forrest」という宿に向かわなければなりません。

 

 宿は、今居る場所とは、街の中心の噴水公園を挟んで反対側になります。

 

 アゴダの宿情報では、バスターミナルからは、かなり離れているので、34番のマシュルートカを利用すれば早く楽に行ける、とのことだったので、バスターミナルの前でしばらく待っていますと、やって来ましたので手を挙げて停め、乗ろうとしましたが運転手に断られてしまいました。

 

 そして、次に乗ろうとしますが、これも断られてしまいます。

 

 どうした事でしょう?この場所は乗降禁止なのでしょうか。十分、乗り降り出来るスペースはあると思うのですが。と言ってバスターミナル内で34番のマシュルートカを探しても見つけられませんでした。

 

 私は仕方なくタクシーで行く事にしました。(タクシー代540円)

 

 この宿は一泊380円で、手作りの朝食も付いていますし、主人手作りのワインも度々、御馳走になりました。また、WIFIも問題なく使えます。

 

 これまで天候は気持ちの良い日が続いていましたが、次の日から雨模様となり、グッと気温が下がって来ました。しかし、ここには厚手の掛布団もあったので寒がりの私としては大助かりです。

 

♡宿の前の道路。閑静な住宅街。中心地の噴水公園まで歩いて15分。

 

♡宿の門を入った所。頭上にはブドウ。

 

♡共用スペース。

 

♡ドミトリールーム。他にもう一室ある。向かって左が私が夢を結んだベッド(住めば都)。奥のドアは手作りワイン貯蔵室 。

 

♡噴水公園の馬の像。この広場の周りはレストランや旅行会社、銀行などがあるツーリストエリアになっている。

 

♡スーパーで買ったワイン小瓶とザクロジュース、そしてポテトチップス、計378円。

 

 次の日、私は街中から見える丘の上にあるバグラティ大聖堂に行ってみました。

 

♡この大聖堂はジョージア連合王国のバグラト3世によって11世紀に建設された中世ジョージアを代表する大建築。(当時の日本は、この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の・・・の藤原道長が権勢をふるっていた時代)

 

 しかし、侵攻して来たオスマントルコ軍によって1692年(徳川五代将軍綱吉の時代)に爆破され、廃墟状態となっていたが1994年、世界遺産に登録された。

 

 その後、ジョージア正教会がもっと見映えと使い勝手を良くしようと再建する事に。しかし、ユネスコはオリジナルの姿は変えてはならぬ、と釘を刺したがリノベーションを実施したそうである。(でも世界遺産登録は取り消されていない)   以上説明終わり。

 

 私は市内を流れるリオ二川を渡り、丘の上を目指して小道を登ります。

 

♡リオ二川。源流から河口まで全てジョージア国内を流れる唯一の川らしい。

 

 3分ほども登ったでしょうか、眼前に教会が現れました。

 

 その周りを歩いて見ます。

 

♡あまり由緒を感じないトタン屋根。壁もオリジナルと再建した所が濃淡の違いでハッキリ分かる。

 

 教会の中に入ってみますと、薄暗い中に十字架に宗教画、そしてステンドグラスなどがあって厳かさを感じさせ、仏教徒の私でも(なんちゃってだけど)、厳粛な気持ちになります。

 

 見ると奥の方では結婚式が執り行われています。

 

 私も他の観光客同様、写真を撮らせてもらいますが、前に出て撮っていますとタキシードに蝶ネクタイ姿の正装したカメラマンが撮影を始めましたので私も神妙に列席者に並びます。

 

♡世界遺産での結婚式。ある意味、豪華。

 

 私は、にわかジャコビッチ・カチンスキーといった顔をして素知らぬ体(てい)で列席者と並んでいたので、後の披露宴でこの式の様子が動画でお披露目された時、うちの縁者にこんな奴、いたか!と物議を呼んだのではないかと心配します。

 

 この日はこの後、市場に寄って宿に帰りました。

 

♡市場で売っていたチーズ。ジョージアは酪農製品が豊富。

 

♡一見すると何だか分からないが、果汁を煮詰めたものでナッツをコーティングしたチュルチヘラと言う伝統的なお菓子。甘酸っぱい味がして美味しい。

 

 次の日、ジョージアにはもう一つ、世界遺産の教会があるのですが、前日、教会に行ったのでもういいや、と言う事で今度はクタイシ近郊にあるプロメテウス洞窟に行ってみました。

 

 クタイシからマシュルートカを乗り継いで約30分で洞窟に到着です。(計122円)

 

 入場料874円を払って入場しますと、約1kmの遊歩道が続きます。

 

♡鍾乳洞入口。

 

 この洞窟は1984年に発見され、2011年から公開されたそうですが自然の造形が素晴らしく、何より照明も自然で見応えがありました。

 

♡以前、入った中国の鍾乳洞内。まるで死霊のはらわた。これが最初から最後まで続く。

 

 

♡基本的にはグループに一人、ガイドが付いて入洞する。

 

 

♡写真ではスケール感が出ないが実際はかなりの大きさ。

 

 

♡石筍も細く長いのが無数に上から伸びている。

 

♡洞内は様々に変化する。

 

 

 そして、最後にとてつもなく大きく広い洞窟内の空間に荘厳な曲が流れ、照明と英語のナレーションを使って、この洞窟の成り立ちをドラマチックに説明しますが、それはまるで宇宙空間に居るのでは、と錯覚させるようなものでした。

 

 私は他の人達と共に余韻に浸っていますと、突然、ジャンジャカジャ~ンとこの場に似つかわしくない曲が後ろの方から鳴り響き出しました。洞窟内なのでよく響きます。

 

 私達の女性ガイドが曲を止めるよう、大声で言いますが鳴りやまないので、音のする方へ急ぎます。どうやら音は後ろのグループからのようです。いったい何だったのでしょうか?

 

 この後、洞内から出ると、バスが待っていてくれ、私達を元のビジターセンターまで運んでくれました。なお、クタイシに帰る時、バスはたくさん停まっていますが全てツアーのバスでタクシーもおらず、この洞窟から便を乗り換える場所までのマシュルートカの便数が少ないので注意が必要です。