♡この猫の目はLEDのように金色に光っていた。
 
  シンデレラは午前零時になると魔法が解け、現実に戻りました。

 私も正午ちょうどに(チェックアウト時間)、夢から覚めさせられ、このリゾートを出て行かなければなりません。勿論、後で白馬に乗った王子様が迎えに来る事もありません。

    (ノ◇≦。)

 私は今夜の夜露をしのげる宿を探して歩きます。

 とぼとぼとぼとぼ、烈日に身を焦がされながら、とぼとぼとぼとぼ

 (´□`。)

 メインストリートから海側、いわゆるビーチサイド側は、ほぼ満室で空き部屋があったとしても高額です。

 珍しくビーチサイド側に空き部屋が有り、しかも1,600円とビーチサイド側にしては格安です。

 さっそく部屋を見せてもらいました。正しくは鍵を渡され、勝手に見て来い、でしたが。

 部屋は長屋形式の6畳敷き位でした。もちろん水シャワーで、シングルベッドが二つ置かれているだけでテレビ、冷蔵庫は有りません。


 ビーチサイドと言っても奥まった場所にあり、海が見えるわけではありません。かろうじて部屋の前が白砂なのがビーチサイドの端くれと言えるでしょうか。

 私は、ここに泊まる事を諦めました。部屋の構造上、風通しが悪く暑いのです。もちろん、クーラーは付いていません。どうも贅沢癖が付いてしまったようです。
    
(´_`。)

 私はちょっぴり自己嫌悪に陥りました。何故なら、今見た同じ作りの隣の部屋にインド系の親子4人が泊まっているのを見たからです。

 リゾート客と言っても様々な人達がいます。この家族のお父さんは、一生懸命働いて貯めた大切なお金で家族をランカウイへ連れて来たのでしょう。もちろん、ここへ来れない人達もたくさんいます。


 反対に、同じインド系の人でも高級リゾートで金の指輪やネックレスをピカピカ、ジャラジャラさせ、家族を引き連れて闊歩する人も見ました。

 地獄の沙汰とリゾートは金次第と申せましょう。

 ただ、私のひが目でしょうか、1,600円の部屋に泊まっていた家族の子供達の顔の方が、明るく楽しそうな表情に見えました。

 私は鍵を管理人室に返し、また大通りに出ました。

 そして昨日、最初に寄ったABモーテルに行ってフロントで空き部屋がないか聞いてみますと有るとの事。料金は1,600円。さっきの部屋と同じ値段でした。


 場所は、大通りを挟んでビーチサイドと反対側でしたが(ここはビーチサイドにも各タイプの部屋がある)、部屋を見せてもらうとクーラーも付いていて、テレビ、冷蔵庫までありました。ただ、シャワーは水シャワーでしたが。また、Wifiも部屋では出来ず、大通りを渡ってロビーまで行かなければなりません。

 私はWifi事情が気になりましたが結局、ここに泊まる事にし、ようやく荷物を解く事が出来ました。

 (^∇^)

 

 

       

♡今日の部屋。ひょっとしてと思い、カーテンを引いたが、やっぱり現れたのは美女ならぬ汚い壁だった。

 (>_<)

 

 
♡前日泊まったマリベスト・リゾートの窓の外の景色。 
 1泊6,080円と1,600円の差はかくも違う。

※後日、レンタルバイクで走っているとゲストハウスも何軒かありました。ただ、海からかなり離れた立地でしたが。

 私は、さっそく泳ぐ事にしました。海パンは持っていないので半パンで泳ぐ事にします。

 タオルだけ持って道路を渡り、海に向かいます。

 時刻は午後1時を少し回ったところです。


 ビーチは風もほとんど無く、波もありません。また、広い海岸なので混んでいるという感じはしません。むしろ、閑散としているといった感じです。

 足先を海水に浸けてみると、ひんやりと気持ちの良いものです。

 そのまま、沖の方へジャブジャブ進んで行きます。どうやら、ここは遠浅になっているようで、かなり先まで足が着きます。

 海水は透き通っているという感じではありません。へその辺りぐらいまでくると、もう足先は見えません。

 私は沖に向かって泳いでみました。そして、適当な所であお向けになり、ゆらゆらと波に揺られてたゆたいます。

 久しぶりの海水浴ですが気持ちの良いものです。浮遊状態というのは人間をリラックスさせる効果があるのでしょう。遠くの方でジェットスキーが走り回っていますが、両耳は水中にあるので、そのエンジン音はほとんど聞こえません。


 私は目をつむったまま漂います。そして、様々な事が取り留めも無く頭に浮かびます。

 過ぎし過去、そして現在、これからの人生・・・。

 どうも、最近、得る事よりも失う事の方が多くなってきたような気がします。

 愛しい人、親しい人との別れ。自信、誇りも、ともすればぐらつきます。

 人生とは失う事の連続だ、と言いますが、私もそういう年齢になってきたのでしょうか。

 後悔、悔悟、慙愧・・・。

 ♪名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実 一つ♬


 いつの間にか唱歌「椰子の実」のメロディーを口ずさんでいました。小学校の時の音楽の教科書にでも載っていたのでしょうか。

 ♪われもまた 渚(なぎさ)を枕 孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ♬

 遠くの方から爆音が聞こえて来ました。波に揺られながら目を開けると、ビーチ近くの空港に着陸するためにランディングギアを降ろした航空機が近づいて来ています。白い機体にレッドカラーが印象的なエア・アジア機です。

 ふと、海面に目を転じると一匹のクラゲが傘を広げたり、縮めたりしながらフワッフワッという感じで、私の目の前を通り過ぎて行きました。何を思い、何処に向かおうとしているのでしょうか。

 岸を見ると、思ったより沖に流されていました。穏やかな海とは言え、やはり、流れはあります。


 
しかし、白い砂浜と緑の椰子の木は鮮明に、すぐ近くのように見えます。

 よし、行くか、私は抜き手を切って流れに逆らいながら岸目掛けて泳ぎ出しました。

 「最善の時は過去に在ったのではありません。未来に在るのです。」   
 
 NHK連続テレビ小説「花子とアン」より 
 主人公の通った女学校の外国人女性校長が卒業式の送辞で述べた言葉


3月7日(金) タイ パダン・ブサール

○今日の出費
・昼食(ラーメン、骨付き肉)        384円

 

♡タイの一般的な食堂で。
・カプチーノ                 128円
・コンビニ(水、栄養剤)           73円
・ビール、野菜炒め               512円
・マンゴー、パイナップル          160円
・ホテル代2泊分              2,240円

計-3,497円 通算 43日目 -190、364円

収支 43日目 -65、866円(1日当たり-1,531円)


3月8日(土) タイ パダン・ブサール

○今日の出費
・朝食                384円
 ・マッサージ             1,280円
・オイルマッサージ                       4,800円
・食パン・ミルク           217円
・ラーメン              160円
・昼食                384円

 

 

・パイナップル               32円
・フライドチキン             384円
・ビール                 512円

計-8,217円 通算 44日目 -198,581円

収支 44日目 -74,083円


3月9日(日) タイ パダン・ブサール

○今日の出費
・昼食                   128円

 

 

 

・マンゴー2個             224円
・栄養剤、歯磨き粉           112円
・クレープ               22円
・フライドチキン、サフランライス    192円
・缶ビール大              156円
・焼き鳥                188円
・ホテル代2泊(ベリンホテル)      2,240円

計-3,262円 通算 45日目 -201,843円

収支 45日目 -77,345円