♡バトゥミ旧市街の街並み。建物はロシアの趣がそこかしこに。夏の保養地でもあり、人口は約17万人でジョージア二番めの都市。


 入国審査を終え、ジョージア側に出ますと多くの人や車が行き交い、私の気持ちも知らず知らずに高ぶります。


♡トルコとジョージアの国境サルピ。国境の持つ猥雑さは受けず高揚感に満ちているよう。


 さあ、一刻たりともムダには出来ません。ところがどうした事でしょう。早くバトゥミに行こうと心は逸るのですがバスはおろかマルシュルートカ(ミニバス)さえも見当たりません。

 乗り場は離れた所にあるのか、と道路沿いを少し先に行って探してみますがありません。

 しかたなく、もう一度入国審査場前まで戻り、思案に暮れていますと大きな荷物を持った男性二人組が目に付きました。確か同じバスに乗っていた人達です。

 この二人ならバスの乗り場を知っているのでは、と思い声を掛けてみますと一緒に来なさい、と言ってくれましたので付いて行くと年配の迎えの男性が来ていて、私にも乗用車に乗るよう誘ってくれました。声を掛けた時から男性二人組は私を車に乗せてくれるつもりだったようでした。お礼を言って荷物を載せるとすぐ出発です。

 ちなみにジョージアはヒッチハイク大国だそうで、この後も私は3回、車に乗させてもらうことになりますが、全て私から頼んだのでは無く向こうから乗せてくれたのでした。所在なさげに道端に立つ私がよほど哀れに見えたのでしょうか?うがった見方をすればジョージアの公共交通機関がまだ不十分だからの互助精神とも考えられますが。

 渡に舟とはこの事じゃわい、と思っていますと、すぐに二車線の道のバトゥミ行き方面側に車が連なりぜんぜん進まなくなりました。

 ここで余談ですがジョージアの車の運転の荒さは日本の比ではありません。以前、トビリシからカズべキまで乗り合いタクシーで行ったのですが、その公道レーサーもかくやと思えるような運転に肝を冷やしたものです。加えてこのタクシーの前部が大きく損壊している事が不安を余計に大きくしました。


♡注意!廃車では無く現役の車。これは今回の旅行で撮った写真。こういう車をジョージアではよく見かける。日本では絶対、車検に通らないぞ。もし、日本に車検がなかったら、こんなフロント部分が大破している車をどこでも見かけるようになるのだろうか。


 やがて、少しも進まぬことにゴウを煮やした車が次々に対抗車線に躍り出ては逆走し、少しでも前に進もうと仕出しました。ところが国境方面行きの車も来ますので、それを避けるために今度は強引にこちら側の車列に割り込んできます。しかし、そうはさせじと車間を詰めに詰めて弾き出そうとしますので大騒動の始まりです。

 どれくらいそうしていたでしょう。とうとう私を乗せてくれた人もシビレを切らし(この人は温厚篤実、ジョージアのドライバーでは良識派に属すると思われる)、ハンドルを切って間道に入りましが考える事は誰しも同じなのでしょう。こちらの道も渋滞です。

 結局、国境からバトゥミまでは一時間くらいのものでしょうが、かなり時間を費やしてバトゥミ市街へと入り、途中で二人組の男性を下ろした後、さらに私が今夜泊まる宿の近くまで送ってくれたのでした。

 送ってもらった人に礼を言って宿に向かいましたが、そこは重厚な建物の並ぶ旧市街地区で、すでに辺りはすっかり暮色に包まれていました。

続く