『潮音』2023年7月号の歌より | 短歌結社『潮音』

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『潮音』7月号の「探照燈」推薦歌より

 

 

 

実家にはオヤジという名の老鬼居ておふくろを怒鳴る老いさらばえても 

 

*荒井 純



トゲなんて作らなくても生きられる世界をください真っ赤なバラに 

 

*七音



誰よりも男前にてありたしと働く女の思う夜のあり 

 

*安田汐里



微かな不安、たとへば匙を噛んだとき世界が少し罅割れる感じ

 

安原櫻岳



並んでも歩幅の違う哀しみに先を急いだ夫の影踏む 

 

*長能知香



この郷を悲しと思ふ時のあり今だに風評聞こえてくる時 

 

加藤哲章

 

 

 

※「推薦歌」 欄は、普通社友の作品の中から、その月推薦された作品の欄です。「探照燈」 は前々月の各欄(今回は5月号) から、その月の担当者が注目した歌をあげ、コメントを加えた欄。ここでは歌のみ紹介します。 

*は現代仮名遣い。

 

 

 

 

 

(編集委員 ブログ担当)