映画感想まとめて3本 | ちょんぺいのブログ(映画へん)

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その年に日本公開された映画を中心に感想を書いてます。備忘録としてサクッと書いちゃってますが、良ければ気軽に覗いて下さい。誤字脱字は申し訳




クリード 過去の逆襲


過去に1・2の感想を書き熱く語りましたクリードの三部作最終章的な立ち位置。


色々な事情で製作陣も変わり、スタローンも出ません。

ロッキーに深い思い入れはないけど、やはりいたからこそ成立した面白さがあるんだなと体現。


過去を踏まえて新しいクリード単体でのストーリーを描きたいという想いは深く伝わる一本。

ロッキー要素抜きにした事での魅力やストーリーの深掘りは幾らでも出来たはずだが、肩透かし展開も多く言及されないまま家族を守る為に立ち向かう的な着地でモヤモヤ。


栄光、挫折、練習、試合というフォーマットは守ってるので大きく踏み外してはいないが、これなら過去二作で足りてるし完結しきってるよなという印象。スピンオフという気持ちで割り切ろう。


バンドでは出し切ったし敬意はあるけど、ソロとしての魅力や世界観も見て欲しいと活動しファンから「何か違う、いや悪くはないけどさ…いや応援はしますよ!」という感覚に近い。

良い点を上げるなら意外と時間経過が早くサクッと見れた。

だが日本限定のアニメ上映も含め温度差を感じる一本でした、無念。




バイオレントナイト


Mr.ノーバディのサンタ版だと思って欲しい、楽しいよ!


サンタ又はクリスマス映画は擦り倒されてて、B級映画としてネタになる事も多い。

本作ではサンタが逆襲するホラーものかなとスルーする人もいるだろう。

これは押さえた方がいいやつ!


主人公はマジモンのサンタ。

現実主義な子供に飽き飽きして引退を考える中、金持ちの家にプレゼントを届けようとすると、強盗事件に巻き込まれる。


そんな中、良い子に出会い約束を守る為に強盗に立ち向かうというファンタジーアクション。

設定ガバガバ、展開ガバガバなところがとてもいい。敵は大事な場面で銃は使えないし、ピンチの場面でも延々と軽口を叩き、緊迫感が皆無なのである。

本来この手の出来は低評価となる場合が多いが、本作は上記の要素があるから「残虐に○しまくって良いよね、死亡フラグ立てまくったし。」と遠慮なく痛快なバイオレント作品として成立させている。

Mr.ノーバディ同様に肉弾戦が多く、主人公がめっちゃ強い訳でもなく互角な所も見てて楽しい。

やられたらちゃんと自分で手当てするし、アクションのロジックも豊富。

子供とのパートはファンタジーかつホームアローン要素も有りクリスマス映画として成立してるが、基本はゴア描写満載のグロアクションが続くのでちびっ子は絶対みちゃダメだぞ。


子供の前で○んだりせず、グロい描写も子供の視覚からは見えないとこで進行しているという謎配慮もポイントが高い。

そのくせディズニーのクリスマス映画のテンションで進むし、ホームアローンのような愉快なBGMが続く。くだらないキャラとゆるい設定でなければ成立しない事を分かった上でアクションだけはガチにするというバランスが最高でした。


マジモンのサンタだからたまーに魔法の力を駆使するのも楽しい。

今年ベスト!ほどの作り込まれた傑作とまでは行かないが、年に一回訪れる「見れて良かった、たまにこういう痛快な映画体験したい」と思える体験が出来ました。是非1人で見てください。





レッド・ロケット


SNS上でも話題になり映画ファンの間でも評価を受けた「フロリダプロジェクト」監督最新作。

雑に言えばフロリダプロジェクト男性版。

本作もセックスワーカー的な描写があるがサラっとしており、前作同様別に問題定義をしている訳でもない。

こういう実態、こんな環境の中で生きる人たちの日常をリアルに描いている。

「ザ・ノンフィクション」劇場版だと思えばいい(雑)

フロリダプロジェクトは周りを取り巻く、危なっかしい面や子供視点の胸が締め付けられる描写がドラマとして成立していだが、本作はそれより地味。終始浮かれたテンションで自由奔放にやっている。

元ポルノ俳優が元妻の所に戻り迷惑かけながら18歳の子と出会い再起をかける物語。

再起をかけて成長する話ではなく、あくまで主人公がそんな気持ちで生きる「しょうもない」を愛でる映画です。

過去の栄光にすがったまま歳を重ね謎の自信で好き放題生きるという、見る人が見れば終始イライラする作品でもあるだろう。

起伏もなく2時間が過ぎるのに余韻が凄い。


ダメ男なのに時折見せる色気、口の上手さ、謎の自信で言われた事はとりあえず挑戦してみる…と長続きはしないが行動するエネルギーはある。

自分に溺れるだけあって自信がある部分に結局まわりも頼らざるを得ない寂れた街の温度差が謎に心地が良い。

それと同時に最低な場面が多い。

説教したくなるのになぜか笑えてしまう。


決して褒められた生き方ではないけど、教育が行き届いてない環境で若い頃に自分なりの自信を付けて強くて生き抜いて来たんだなという哀愁がひどく伝わる。

登場人物の過去や心情などは描かない、何となくその日を生きる者たちを描いた日常をひたすら眺める2時間。

それでも三大欲に人は抗えない。

楽しそうに嬉しそうにしてればそれで幸せなのでは。

フロリダプロジェクトを好意的に見れた人は本作も楽しめるはず。

唯一無二で体験できない感情を吸収出来るよ。

現状は変わらないにしろ自分を大きく見せることが出来ればいいという生き方、勉強になります(憧れない)


落語的なオチもなんか夢のENDみたいでシャレてました。