クルエラ | ちょんぺいのブログ(映画へん)

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その年に日本公開された映画を中心に感想を書いてます。備忘録としてサクッと書いちゃってますが、良ければ気軽に覗いて下さい。誤字脱字は申し訳




クルエラ

お洒落な映画やで…お洒落。

という事でクルエラさん。
初登場2位から7位に移行しておりますが、もっと健闘してもいいのではというほど文句無しの面白さでした。
非常事態宣言もあってか、るろ剣とエヴァの盛り返しが凄いから仕方なしか。
また本作もディズニープラスに追加チャリンチャリンする事で引きこもりながらの視聴も可能です。その効果もあるかな。

101匹わんちゃんに登場するヴィラン クルエラの若き日を描いた作品で御座いますね。

本作の感想の前にだらだらと話しますぜ。
まず、ヴィランを主人公とした外伝的作品と言えば、マレフィセント。2まで製作されましたね。
マレフィセントが単なるいい人になってて眠れる森の美女じゃない等、賛否が大きく分かれる結果となりました。
私は普通に楽しんでしまいましたが。

今回はそんな反省を活かした様に見受けられましたよ。
マレフィセントで言うオーロラ姫や妖精など、主要キャラ的ポジションはクルエラにはほぼ登場しません。切り離す事で改変を遠ざけます。

101匹わんちゃんのクルエラは主人公の嫁の友達という設定。「ダルメシアンの子犬を毛皮にする」以外の情報がほぼ無い。
時代が生み出した完全なる悪党としか描かれてない。

実写映画「101」では96年頃が舞台となっている為、若干設定は変わる。
主人公は作曲家からゲームクリエイターに変更。
主人公のヨッメが働くファッションデザイン会社の社長がクルエラとなっている。
相変わらず「ダルメシアンの子犬を毛皮にする」事に執着する悪党というのは据え置き。

ファッションデザインに興味があると言う点と、結婚に嫌悪感を抱いてるという点で「クルエラ」は「101」から引き継がれた設定の様にも見受けられる。

101匹わんちゃんでクルエラ一味はバイバイキーン!キラリンッ!的な退場したのに対して、101ではタイーホ。102では牢の中で治療された事により超いい人になった。しかしひょんな事から覚醒してしまって…
といった感じ。

101匹わんちゃんはアニメーション製作過程が進化したという点と、公開当初のタイトル「101匹わんちゃん大行進」にふさわしいイッヌの大移動と動物の会話劇が見所。
また主人公がクルエラ嫌いすぎてクルエラのテーマソングをピアノで作曲したら、それが何故かヒットするというオチになっている。
その曲は101のテーマソングとしても使用され、クルエラではダークアレンジで自身が歌ってますね。

101・102では鳥を除いて動物が人の言葉を話さない。実写になった事でそこもリアリティなのか。
犬同士のやりとりは極端に減ってるが、実写のイッヌの動きはかわいい。
悪党が成敗される見所が多く、ホームアローン色が強くなっている。
また102ではクルエラ以外の登場人物はほほ総入れ替えの為、もはや別作品。
クルエラは据え置きという点ではマスコット的存在。

みんなが気になるであろう102の宣伝アイドルグループでお馴染みミニモニ。は本作では起用されてない。
また101・102のクルエラ吹き替えで最高の演技を見せ羽賀研二と肩を並べた山田邦子も本作では登場しない。
この2点に関しては忘れて構わない。

過去作を比較すると、本作ではまず「○してでもイッヌの毛皮を!」というヴィラン度MAXな信念は排除されてます。倫理の時代なんで。

むしろクルエラ一味のバディとなるイッヌがフューチャーされるほど可愛いイッヌ要素が満載。

酷い扱いの手下でお馴染みジャスパーとホーレスは心がとてもイケメンに描かれてます、ずるい。
これによりドロンボー一味にも似た愛着が湧きます。

ならばマレフィセント同様いい人になってるやん。という風にも見えますが、普通に盗みは持続してるのでセーフなバランス。
その理由付けも上手く纏めてます。

相変わらず前置きが長くなりました。
体力を使い果たしたので感想が短くなるやつですね、わかります。

見せ方の順番、展開や演出の数々を近年のヒット作のテンプレを元にメドレーで繋ぎ合わせた贅沢な仕上がり。
既視感すら超える詰め込み具合は圧巻。
ヒットさせる上で必要な要素を研究しきってるなぁと感銘を受けました。
久しく映画を見てない人が見たら、こんな作風増えてるの⁉︎盛り沢山だなぁ…と刺激的なエンタメタイムを過ごせるのでは。

映像・衣装・音楽もとにかくオシャレで細かく語れない私でも見てるだけで凄いなぁ…と思えるほど。
職場も普通に映さないからオサレ。
外観を映して屋根をすり抜けて、売り場を華やかに見せ、奥に進むと従業員の華やかなな働きぶり、奥に進むにつれ慌ただしくなってクルエラが映ると…?とかワンカット風に見せるのもうオサレ。
ストーリー以外の美術でも見惚れるのも良いよね。
クルエラがファッションに執着するだけあって、ちゃんとファッション映画として機能している。
子供達に夢を与えるディズニー!とは違う大人ディズニー感がある。

本作の面白さは「バロネス」というファッション界の女王がいる点。
何故ヴィランになったかという要素より、クルエラよりヴィランヴィランしているバロネスがとにかく魅力的。ライバルとしてふさわしい立ち位置。

もちろんモブも魅力的で個性が際立っている。
個人的にはキングスマンのイケオジでお馴染みのマークストロングが良かったです。

意外性と人間性のギャップが楽しいヴィランサイドのエピソードはやはりハズレなし。
漫画でもなんでもそうだけど、そのフォーマットがもうずるい、優勝。

ジョーカーみたいな雰囲気を醸し出してますが、ジョーカーより数百倍明るく数百倍救いがあるのでそこはディズニー。

高い完成度と力の入り具合から見て、続編もありえる着地でしたね。
悪党と言うよりは、信念を曲げずに周りを振り回し己を貫く者なのよね。
そこに優しさ成分が少しあるから愛着湧いちゃうよね。
これ以上にヴィラン出来るのか気になる所です。
深く描いてないキャラもいたから広がるのかなあ。

101・102の時点で自由にやろうぜ感が出来上がってるので、クルエラ基準での今後の展開も期待したいです。

個人的にはエンドロールのCパートで思わず声が出ちゃいました、今年1番好きなオチでした。
この感想のどこかにヒントが隠されてるかも知れません。

極力ネタバレなしで感想を書いたので魅力的でテンポの良いストーリーを是非鑑賞願う。