Association of Social Support With Functional Outcomes in Older Adults Who Live Alone

 

Sachin J Shah , Margaret C Fang , S Rae Wannier , Michael A Steinman , Kenneth E Covinsky

 

JAMA Intern Med. 2021 Nov 15. Online ahead of print.

 

【重要性】
一人暮らしの高齢者は、健康状態が悪くなるリスクがある。社会的支援が特に健康状態の急激な変化に直面したときに、一人暮らしのリスクを軽減するかどうかは、十分に報告されていない。
 

【目的】
一人暮らしで健康被害を受けた際に、社会的支援がその被害を軽減するかどうかを評価する。
 

【デザイン、設定、参加者】
今回のHealth and Retirement Study(登録2006年3月~2015年4月)の縦断的前向き全国代表コホート研究では、地域で一人暮らしをしている65歳以上の高齢者で、日常生活動作(ADL)と手段的ADLを自立して行うことができる4772人を、2018年4月まで隔年で追跡調査した。統計解析は2020年5月から2021年3月までに完了した。

【暴露】
社会的支援(例:必要に応じて身の回りの世話をしてくれる特定の親戚や友人)、健康上のショック(例:入院、がんの新規診断、脳卒中、心臓発作)、2つの暴露の間の相互作用(乗算および加算)

【主要評価項目】
ADL依存症の発生

介護施設への長期滞在(30日以上)

死亡

 

とした。

【結果】
一人暮らしの高齢者4772人

(年齢中央値[IQR]、73歳[68-81]、3398人[71%]女性)

 

ベースライン時に1813人(38%)が支援を確認できず、3013人(63%)が調査期間中に健康上のショックを経験していた。

 

サポートは、2年後の介護施設での長期滞在のリスクの低下と関連していた

(予測確率、6.7%対5.2%、P = 0.002)

 

 

健康上のショックがなかった場合

サポートは介護施設の長期滞在とは関連しなかった

(2年間の予測確率、1.9%対1.4%、P = 0.21)

 

健康上のショックがある場合には、

サポートは介護施設での長期滞在のリスク低下と関連していた

(2年間の予測確率、14.2%対10.9%、P = 0.002)

 

サポートは、ADL依存症や死亡の発生とは関連しなかった。

 

【結論、適合性】
一人暮らしの高齢者を対象としたこの縦断的コホート研究では、社会的支援は、健康上のショックを受けた際に介護施設に長期滞在するリスクの低下と関連していた。
 

【感想】

最近入院する患者で介護保険の申請もしたことのないような独居の高齢者が多いため気になって論文をよんでみました。

入院するともれなくADLが低下し、退院先は施設であったりまたは自宅であっても周囲のサポートが必要となることが多い印象です。

また患者自身がADL低下に関しての実感がなく、退院先として施設を提案するも自宅への退院希望される方も多いです。

 

自分の父親は体が弱ってもなるだけ自宅で生活したいとの希望があります。今のところ大きな健康問題はないようですが、何か健康問題が起きたとき自宅での生活を少しでも長く生活できるようにサポートできるよう実家の近くに住んでいたほうがいいのでしょうね・・