先週、友達(男)からショックなニュースを聞かされた。。。
彼は現在32歳。バツイチ。報酬は入社後平行線の職人。先妻と別れてもうすぐ2年だったかな。そんな彼に彼女が出来た。彼女は32歳。バツ2。外科医。7月に某病院の院長に就任。彼の10倍の月収。
彼にようやく訪れた春。2人の格差は誰が見たって開きすぎ。だけど、2人のラブに隙間は無い。
「最近、忙しくてなかなか会えなくてさぁ」と、ぼやいていた彼から、相談を受けた。
彼「実は…な。彼女が……肝臓癌なんだ……末期の。」
私「は?…何それ?…死ぬの?」
彼「余命3年…」
私「は?死なないでしょ?」
彼「死なせたくねぇよ。この前まで3ヶ月って言われていたんだ。それが3年にまでなった。癌が小さくなってきたんだ。」
私「そっか。良かったね。で、彼女の側に居たいんでしょ?」
彼「うん…そうなんだ。だから…祭の方を…今年で最後にしたいんだ。」
私「…わかったよ。」
この話をしたのは、6日だった。8日は祭当日だった。どんな心境で祭に臨んだかというと、例年よりも落ち着いていた。雨のせいもあって、技術面で注意点が増えた。だから逆に落ち着けたのかも知れない。そして、祭開始。どのチームよりも人数が少ないアタシ達。行進のトップで出発するアタシ達は、まだ盛り上がりの欠けている沿道を盛り上げて歩いた。
周りを巻き込むのではなくて、自分たちが楽しむ。男と女は別々に円陣を組むのだけど、アタシ達は時折その円陣を崩して一つの輪になる。これは、計画通りなワケではなく、突然的なコト。今までどのチームも交わるなんてことは無かったハズ。何故なら、円陣を崩すことがあり得ない歴史だったから。その円陣を崩した状態で、本部席の前、観客が手を伸ばせば届くような距離まで近づく。アタシ達のパフォーマンスは1時間。その1時間で今までの練習の成果を全て出す。自分たちが楽しむことによって、観客が喜んでくれる。そして、彼は「今年が今までで一番楽しかった。結束していた。一つになっていた。楽しかった、ありがとう。」と、話した。彼が居なくなるワケではない。会える時間が少し減るだけ。ただそれだけのこと。
今年の夏に彼女が彼に言った言葉。
お盆のお墓参りにて。
「今年が最後のお墓参りになるのね、アナタと一緒に来れて良かった。」
2人の部屋にて。
「今まで生きてきた中で、私は今が一番幸せよ。」
3ヶ月と宣告された病室にて。
「人間のまま死なせて。」
全ての言葉を、彼はアタシに話してくれた。嬉しい言葉も、悲しい言葉も、彼は泣きながら話した。アタシは、黙って聞いた。彼と彼女のために出来ることを、アタシが出来ることを。
祭の慰労会の夜、酔っぱらった彼が次に託す男の子に「後はお前に全て託したぞ!イヤだとか言うんじゃない!頼んだからな!」と急に言ったから、その男の子は落ち込んだと同時に怒りが生まれた。ずっとふてくされている男の子に話した。彼の事情を簡単に。「大切な人が病気で、その人の側に居たいんだって。わかってやって。お前はそんなにキャパの狭い男じゃないだろう?」男の子は泣きながら言った。「…俺がバカでした。」
一次会・二次会をやっつけで終わらせたのが23:30。帰ろうと思ったけど、若い子達の雰囲気が「え?もぅ帰るんすか?」という雰囲気だったのでカラオケに連れて行った。2時間で入って、アタシは1時間で退席した。「じゃ、お先ッス!」って。
飼い主のトコに帰ったのが1:30。玄関の電気と部屋の小さい照明が点いていた。飼い主のこうゆうさりげなく優しいところが好き。着替えて歯を磨いて隣で眠った。「おかえり。楽しかった?」と、優しく聞いてくれる飼い主。朝起きると、「風呂は?」と、聞くから「入ってきた」と、答えた。「何処で!?」と、ちょっと怒った風に聞くから「控室で。」と、答えた。
「今日は、6時過ぎに帰ってくるから。」と、優しくキスをして出掛けていった。アタシは午前中まで休みをもらっていたので、午後から仕事に入った。夜も残業なので、夕食は飼い主と一緒に食べてすぐにまた会社に来なきゃいけない。仕事が終わったら真っ直ぐに帰ろう。いつものように一緒にお風呂に入って一緒に眠ろう。
彼が泣きながら大切な人のコトを話してくれたとき、アタシは飼い主の一言一句を逃したくないと思った。飼い主のさりげない優しさを見逃したくないと思った。熱い温度ではなく、暖かい温度を与えてくれる人。「ラストプレゼント」を思い出した。
大切な人が死に逝くとき、アナタは最後に何をしてあげたいですか?