知ってる人も居ると思う。



先週の金曜、ウチの会社で事故が起きた。


屋根の雪が落ちて2人が生き埋めになって、1人が亡くなった。



ウチの会社には倉庫があって、その倉庫の屋根は落下式の屋根だった。けど、その雪が落ちなくて、とうとう170cmも積もってしまった。その雪を「ちょっとつつけば落ちるだろう」という、安易な考えで、雪下ろし隊が8名で屋根に上がった。


新雪を下ろして、もぅ終了しようとした時、雪が一気に落下した。予兆もなく一気に落下した。


8人のうち7人が雪と共に落下した。そのうちの2人が生き埋めとなった。



レスキューに連絡をすると同時にアタシの所に電話が入った。



「雪が落ちて、2人が居ない!!見えない!!!今すぐに来て!!!」



一瞬、何が何だか分からなくなった。


けど、急いで会社に残っている女性社員に防寒着と長靴を履かせた。スコップを持って急いで現場に行った。アタシ達が現場の入り口に到着した頃、レスキュー隊が来てくれた。


入り口から現場まで10分~15分。車では入れなくて、幅30cm程度の雪の中を歩いて現場に向かった。



現場に着くと、現場に一緒にいた男性社員が一生懸命雪を掘り起こしていた。みんな叫びながら。生き埋めになった人の名前を呼びながら。



掘り起こしを初めて30分。森さんが見つかった。


まず左手を発見して、傷を付けないように手で掘り起こした。



。。。苦しそうな顔をしていた。。。


急いでレスキュー隊が心マッサージをしながら森さんを運んだ。



アタシはみんなに呼びかけてレスキュー隊が森さんを運びやすいように雪に道を付けた。


本当に苦しそうな顔をしていたけど、絶対に助かる!って信じた。




そして、1時間10分埋まっていた興さん。



みんな、「もぅ助からないだろう。。。」と思っていた。だって、1時間以上も埋まっていたのだから。



掘っても掘っても出てこなかった。やっと足を発見した。腕が出てきた。呼びかけをした「興さん!!意識があったら手を握ってください!!!」


強く握り返してくれた興さん。



早く早く!と、興さんを引っ張り出して、「命がある」と分かったと同時に涙が止まらなかった。




アタシは最後まで現場に残って、レスキュー隊や消防隊に御礼を言った。「良かったね」と声を掛けてくれる人。ニッコリ笑ってくれる人。


ありがたくてありがたくて涙が止まらなかった。



会社に戻って、病院に運ばれた2人の安否を確かめようと電話を入れた。


助かると思っていた。絶対に大丈夫だと思っていた。



「。。。森さんが死んじゃった。。。」涙声で言う母に「わかった。」と答えた。



アタシは涙ながらに社員に森さんの訃報を告げた。そして、全員で病院に行きましょうと声を掛けた。



病院に行くと、森さんの家族が「お父さん!!」と泣いていた。



アタシは、森さんの奥さんの顔を見ることが出来なかった。



出張から帰ってきた父と共に森さんの奥さんに謝罪した。



病院で森さんに会ったとき、森さんが横たわっていたベットは血だらけだった。



胸部圧迫であばらが全部折れ、それが肺を突き刺したそうだ。レントゲンには何も映らなかったそうだ。森さんは即死だった。。。




今日、葬儀に行ってきた。


気丈にしていた喪主である息子さん。奥さん。


社長である父をどんなに責めたかっただろうか。私達会社の人間をどんなに恨んだだろうか。計り知れない。けれど、一度も責めることなく、「最後までご迷惑をお掛けして申し訳ございません。最後まで働かせて頂いて、どうもありがとうございました。」と、言ってくれた。涙が止まらなかった。


「どうして、こんな所の雪堀をしたんだ!人殺し!!!」って、救助中の現場で罵倒された言葉が忘れられない。その言葉を言った声も顔も忘れてない。その人が身内だったことも。


だって、その人は、アタシのすぐ後ろに居た。



アタシは一度振り返って、また雪堀を続けた。スコップが折れるほど。



「人殺し」と言われても、言い返す事なんて出来ない。言われても仕方ない事故を起こしてしまったのだ。







1月20日。ウチの会社はこの日を「安全の日」と定めた。



亡くなった森さんのお陰で、イロイロ考えさせられた。誰に恨みなんてない。ただただ、助けられなかったことが悔しくてならない。




アタシは、森さんを発見したときの苦しそうな顔が忘れらんない。




興さんの所にお見舞いに行った人が、ウチの社長を非難したそうだ。


興さんは黙って聞いていたそうだ。その後、興さんが言ってくれた言葉。

「森さんの死は本当に残念でならない。罵倒したくなる人間の気持ちも分かる。けど社長、社長業ってのは孤独だなぁ。オレは、社長の下でまだまだ頑張りたい。もう少し、オレを使ってくれないですか?」



社長は涙が止まらなかったそうだ。「ありがとう」と堅く手を握り合ったそうだ。





ウチの会社はこの部落で孤立するだろう。ウチの家族はこの部落から罵倒され続けるだろう。けど、それも、仕方のないことなのかもしれない。「起こしたくて起こした事故じゃない!!」って悔しい思いもある。けど、何も言い返すことなんて出来ない。




この事故から学んだ。イロンナコトを。






ココを見て、今回の事故をご存じの方。ご心配をお掛けして、申し訳ございませんでした。