アタシの気持ちが動かないことを知っててもなお、アタシの手を握るA。抱き寄せようとアタシを引っ張る。アタシは「離しなさい。」と言ってその手を引き離す。
アタシは時々Aを脅す。
「あんまり近寄ると犯すぞ。」
「いいよ。」
黙るしかない。。。
Aの「いいよ」って言う時の表情が、切なくて、「気持ちが無くてもいいよ。ちょんさんが望むなら。」っていう感じに聞こえる。
気持ちのないセックスでAを汚す気はない。っていうか、ヨシオ以外の男と寝る気はない。
AはNANAのしんちゃんに見えて仕方ない。
本当は誰かに愛されたくて、誰かに必要とされたくて。
Aは言う「オレと一緒に居るときだけオレのことを考えて。オレのことを見て。好きにならなくてイイから。今だけでイイから。”カワイイ”って言って。」
子犬がすがるような目で。けど、猫のような性格のA。
必死でしっぽを振って、「愛して」って訴えるA。
気持ちを知られないように、猫のように振る舞うA。
カワイイカワイイA。
けど、愛しい人はたった1人。ヨシオだけなんだ。
以前、Aに本を貸した。高橋 歩さんの「LOVE&FREE」っていう本。
付箋が貼られて返却された。
その中の1つ。
誰かの「ひとこと」で、急に幸せな気分になるときがある。
誰かの「ひとこと」で、完全に人生が変わる人もいる。
誰かの「ひとこと」を支えに、一生を生きていく人もいる。
ヒトツヒトツ ノ コトバ ニ アイヲ。
すっごく難しいけど、
それが一番シンプルで、一番大きな優しさの表現方法かもしれない。
Aは「オレが読んで好きだと思ったトコ。」って言ってた。
Aらしい。
Aは言う「浮気相手でもイイから。オレを側に置いて。」
アタシは言う「浮気はもぅしないって決めたんだよ。ヨシオを裏切りたくない。堂々とヨシオに愛してるって言いたい。アタシはヨシオを愛してる。それなのに、Aを汚したくない。こんな義慈愛は、何も生まない。」
Aに思いをぶつけられるたびに思う。アタシが本当にヨシオを愛していることを。早くヨシオに会いたい。