自炊の学生寮に住んでいます。
一人息子の彼は
生まれたときに、頭の中におできを持って生まれてきました。
1歳児で10時間の開頭手術を乗り越えた彼は
脳を触ったことも原因なのか、
その後、ADHDと軽度のアスペルガー症候群
(高機能自閉症)の特徴と長いお付き合いをすることになりました。
彼の持っている特徴ゆえに
友達に誤解されたり、反対に友達や周囲の人のことを誤解したり
先生の理解を得るのが大変だったり
本当に色々なことがありました。
彼には小学校5年生のときに
母親である私から告知をしたのですが
最初は少し動揺していたものの
「あぁ、だから僕はこんな風だったんだ...」
と、少し安堵したように言っていたのを
ついこの間のように感じます。
それからは、自分の特徴を知ることで
試行錯誤しながら
彼なりに人とのコミュニケーションの取り方を学び、身につけていきました。
中学、高校、大学と
友達にも恵まれて元気に学生生活を送っています

高校の時、
陸上部の練習中に、突然両足の力が抜けて
立つこともできない状態になった時がありました。
高校から連絡を受けて迎えに行くと、
男性教員二人に抱えられてこちらにやってくる息子の足は、まるで操り人形のようにぶらぶら。
脳腫瘍が再発したのではないか

と生きた心地がしませんでした。
その後、名古屋市立大学病院で検査をしてもらいましたが、原因が分からず。
息子も1日で歩けるようになり
手指の力がたまに抜けることがあったものの
だんだん症状も出なくなり
その時の主治医に言われた5年の経過観察期間も無事に終えることができました

興味がないことは全くしようとしないところがあって、また半年以上先のことを想像するのはとても苦手らしく、
お尻に火がつくまでに、定型発達の人よりもうんと時間が掛かります



そのせいもあって
高校受験の時も、大学受験の時も
まるでジェットコースターに乗っているような感じでした...

やれやれ、なんとか大学生になったよ、
と思ったのもつかの間
今度は4年生になれない!という事態に遭遇〜

怒り心頭の夫に、息子が泣きながら頭を下げて
なんとか退学せずに済みました

そして、所属した研究室の教授に出会ったことが
彼の人生をまた変えてくれるキッカケになりました。
正直、息子を育てている間
何度、冷や冷やしていきた心地がしなかったか
数え切れません。
それでも、きっとこの子は大丈夫!
そう信じて、言い聞かせてやってきました。
息子の10代最後の日に、転移が確定して
本当に申し訳なくて、
この子のためにも頑張らなくては、と
強く、強く思いました。
そんな息子ですが
先週の土曜日に下宿生活を始めてから
1週間経ちました。
彼から何かをメールや電話で言ってくることはなく、私からも事務連絡を2度ほどしただけです。
でもほんとは、
ちゃんとご飯作って食べてるかなぁ〜
洗濯はやれているのかなぁ〜
ゴミ出し、忘れてないかなぁ〜
布団、干せているかなぁ〜〜
と、心配ばかりしています

...
やっぱり、下宿させて良かった。
だって、私がずっとそばにいたら
きっとあれこれ口を出してしまって、
いつまでたっても子離れ出来やしなかったに
違いありません

とはいうものの、
実は今度の土曜日に帰ってきます。
ADHDの診察と薬の処方をしてもらうため
4週間に一度、そのついでに我が家へ帰ってくるのです。
なんだ〜
それならそんなに寂しくないよねっ
と言われてしまいそう(笑)
でもやっぱり寂しい〜
この寂しさに少しずつ慣れるよう
息子の人生を、息子自身が生き生きと歩いていけるよう、
私は自分の人生を豊かに生きねば

さぁ、
お昼ご飯作ろ〜
