私の趣味は、ひとり町起こしでもある。
上諏訪に引っ越してきたときから、そんなに栄えているとは言えない町を
回った。以前は、主人の実家のそば辺り界隈を。
当時は、大きな商業施設もでき、老舗もあったから、そこそこ、
賑わっていた。
回って歩く。
鰻やさんだったら、鰻と甘い豆を買った。
レストランも通った。
雑貨やさんも何度も行っては、買った。
なぜ、行かなくなったかというと、私のもう一つの趣味は、選挙。
選挙が好きなのである。
もちろん、公明党の応援だ。
入れなくてもいい。
公明党の実績を語るだけである。
が、それが、プライドの高い諏訪の人々の沽券に触ったようだ。
来ないでくれということになり。
拠点を、まだ、開けていない、余所から移住してきた若い人たちの
事業を応援し始めた。
地元の人は、その「リビルディングセンター」に行きたくないと敬遠していた。
が、私は、或る意味、よそ者であるので、準備段階から、応援し続けた。
通うだけではあるが。
選挙ももちろん、話はするが、入れる人もいれば、入れない人もいる。
それで、いいんである。
語ることに意義があるので。
ともかく、行っては、元気?とか、これ、いいねえ、と話す。
カフェではお茶を飲む。
これからの構想は?なんて、むずかしい話はしない。
しょうもないダジャレとか、笑っているだけだが。
そうこうしているうちに、10年近くが経ち、若い人たちの作ったお店は、
本にも載り、取材も受けるようになった。
東京からも、遠くは北海道からもお客さんが来る賑わいに。
嬉しい限りだ。
先日、私に「何をしに来ているの?」とイヤミを言った以前通っていた
地域の老舗の奥さんが「リビルディングセンター」に来ていた。
あまりに満面の笑みなので、誰か、わからなかった。
今は、さびれてきているので、私にまた、来てほしいのだろうと
想像したが、挨拶だけで、そのまま、にした。
世の中、そんなに自分中心には、いかないよね?
体力的にも、もう、ムリなのもあるけど。
気質というのは、変わらないものだ。
寂れるには、寂れるだけの理由があるのだ。
お客さんを大切にしないところは、寂れていくのは、当然だ。
また、排他的な地域は栄えない。
よそ者が案外、町を起こしていく。
だから。
海外の人も大切にしたいと感じている。
明日も明後日も、町を回る。
けっこう、忙しいのよ。