一週間ばかり、電柱のてっぺんで鳴いていた。
その下を「申し訳なし」とお辞儀をしながら、通ること、一週間。
とうとう、電柱から、姿が消えた。
こんな寂しいことはない。
太郎は、何もなかったように、のんびり、小屋で寝ている。
もう、とんちゃんにえさをやることはないんだな。
楽しかったあ。
えさの鶏肉を椅子の上に置くと、鳴きながら、バサーッと羽を広げて
採りに来る。
太郎と公園を散歩していると、空の上をゆうゆうと飛んでいた。
「とんちゃーん」と手を振ったっけ。
とんちゃんは、もう、現れない。