週に二三回は、町の若い人の店を回っている。
「慣れた?」とか、声を掛ける。
若い彼女は、完璧を目指しているようだ。
完璧を目指さなくていいんだよと言ってみる。
ニコニコしてりゃあいい、てなことを言うが、彼女が自分でわかるまでは、
まだ、時間が掛かるだろう。
仕事も結婚も人間関係も、むずかしいと言えば、むずかしい。
が、今日の仕事を一つひとつ、片付けることが生きるということでは
ないだろうか?
わからないこともある。
なんだ坂、こんな坂。
足場を探しつつ、明日を夢見ている。
70才でも、夢を見ることはできるし、足裏の手入れも挑戦し始めた。
困っていること、悩んでいることを言えるようになったら。
恥ずかしいという思いを乗り越えられたら、また、別の世界が
待っているように思う。
私たちは、毎日が初めてのことだらけなんだ。
70才で、初めて出会うこともある。
慣れることなんてない。
毎日がチャレンジ。
初めて。
失敗しても、仕方がない。
完璧はない。
