東日本大震災の津波によって、児童74人と教職員10人が犠牲になった宮城県

石巻市立の大川小学校(2018年に閉校)。

地震の発生後、児童・教員は校庭にいた。

学校のすぐ南側には児童も授業などで登っていた山があり、

地震発生から津波到達まで約50分間あった。

顧みれば「逃げる場所」と「逃げる時間」がなかったとは言い難い。

だが、同校の危機管理マニュアルには具体的な避難場所が明記されていなかった。

そのため即時の避難行動を起こせず、対応が後手に回り、痛恨の事態を

招いてしまった。

いざという時に適切な行動を起こせるための事前対策が重要である

ことを心に刻みたい。

同校に通っていた次女を亡くした「大川伝承の会」共同代表の佐藤敏郎さんは、

あの日の出来事を振り返り、「パニックの中で判断するのが防災ではなく、

どんな準備をして、その日を迎えるのか。それが防災だ」と

強調する。そして「完璧でなくていいから、平時から本気で防災に

取り組む」ことの重要さを力説する。

 

聖教新聞「社説」より、抜粋しました