兄は、絵を描くので、個展をすることがある。
2月も国立で、二人展をやったので、花かごを送り、顔を出した。
画廊のオーナーに「これでも、女子美を出ているんですよ」と紹介。
これでもねえ。
花かごを送ったことも気に入らないようで、「高価そうな花かご、送るくらいなら、
作品を買ってくれ」というメールが届く。
むっとしていた私は、「花かごを送ることは、悪いことだとは思わないし、
そんな豪邸でもないから、これ以上、作品は買えない」と
答えた。もう、5点もあって、飾るところがない。
彼は、常に私を下に見ている。
根性が曲がっているとか、散々である。
が、実は、彼は、私に劣等感をもっているのだろうと感じている。
劣等感というのは、しばしば、人を穏やかにはしない。
彼は、彼を愛した母に似ていて、地位と名誉と財産が気になる気質である。
私が気になるのは、健康と時間である。
次回の個展は行かないことにした。
もちろん、花も送らない。
時間がもったいないから。
そんなメールを送った夜、大喧嘩する夢を見た、兄と。
朝起きたとき、すっきり。
言いたいことは、夢で言ったから。
兄妹は、他人の始まりかもしれない。
比べ始めたら、ダメだよね。
兄は、最大の応援者である妹を失くしたのである。