8月15日は、終戦記念日ではあるが、正確に言うと、
敗戦記念日ということになるだろう。
国民を戦争に狩り出した軍部勢力は、アメリカによる二度の原爆投下でも、
終戦を考えなかったという。
新型爆弾は、白い服を着ていれば、防げると。
彼らは、なんの科学的知識もなかったのだ。
奇異なことに、天皇の一声で、戦争を終えることを決めたという。
が、その天皇の玉音放送は、一体、何を言っているか、国民には、
理解できなかったようだ。
ブラジルでは、日本人の間で、「勝ち組(日本は勝ったとする)」と「負け組(いや、日本は負けた」とする解釈の違いで、争いが起こってしまった。
事程左様に思考能力が低下したしまった日本人。
今回の電撃的な、岸田首相の退陣表明。
遅きに失した感があるが、毎日新聞の論点で、「岸田政権とは何だったのか」と
いう表題で、三人の論客が書いている。
中でも、東京工業大学教授の中島岳志氏の論説は、納得のいくものだ。
抜粋すると、
岸田文雄首相を端的に評すれば、首相になることだけが目的で、
首相になってやりたいことのなかった政治家だろう。
保守本流のリベラルな派閥、宏池会出身で30年ぶりの首相として期待されたが、
中身は空っぽだった。
(中略)
宏池会出身の首相で在職日数のトップは池田勇人(1575日)。
岸田氏は従来2位の鈴木善幸(864日)を抜き、やりきった感があるのかもしれない。彼の欲望に付き合わされた側が、今後どうするべきか。
すべては、それ次第である。
と書いている。
首相になりたいだけで首相になった人。
何をしたいかもなく。
肩書が欲しいのなら。
書こうとしたが、絶句した。
今日の仲畑流万能川柳で、福岡の朝川渡さんは、7回めの100点指定席で、
このような句を寄せている。
8月の初めに投句したので、選者の仲畑先生は、今日を待っていたと言えよう。
その句は、
憲法が変わり届いた赤い紙 朝川渡
この句がもう、空想の世界の句ではなく、現実に迫っていると言えよう。
岸田さんの殊勲を挙げるとすれば、憲法改正まで、手が届かなかったことだろう。
防衛費などや、自衛隊の装備は着々と進めているが。
彼の欲望に付き合わされた国民が、今後、どうするべきか。
それが問われている。
「誰がなっても、同じじゃない?」と呆けたことを言っている場合では
なくなっている。
自分の頭で考え、最善の策を採らなくてはいけない。
私たちが、私たちの子どもたちが赤紙を受け取る日が来てはならない。
それは、首相ではなく、私たちの責任だ。