焼き芋を焼いている、ストーブで、アルミフォイルに巻いて。
亡き父がよく、冬に焼いていた。
私はそういうことはしない。しなかった。
彼は、ケチだったので、指の太さくらいの捨てるような芋を買ってきて、
焼いていた。ときどき、テレビを観ながら、芋を回していた。
そんな風景を思い出す。
どうも、食事がピンと来ない。
甘いものが食べたい。
買ってきていたのだが、出先で、知り合い達に、あげていたら、食べるものが
無くなった。
すぐ、あげてしまう。
そして、美味しかったとメールが来ると、ウシシ、そうだろ?と思う。
母は、私のそんな大盤振る舞いなところを嫌った。
そうしないと付き合ってもらえないのか?と嫌味を言っていた。
嫌味な女だったなあ。
今日は、亡くなった父母を思い出す日になった。
父も母も欠点が多い人間だった。
共に、口が悪いという共通点があった。
母は、とりわけ、見栄っ張りだった。
私は幼少のころ、鼻を垂らしていたりしたので、知恵が遅れていないかと
心配したようだ。
その心配に対して、父は、兄と遊んでいるのだから、大丈夫だろうと
答えたそうだ。
兄は優秀で、母のお気に入りだった。
そんなことも遠い昔のことになった。
優秀だろうが、馬鹿だろうが。
今を楽しむことだと思っている。
親の評価とか、人の評価とか、気にすることはない。
誰がなんと言おうと、自分は自分だ。
自分以外の何かになることはできない。
ぼろは、着てても、心は錦という感じだろうか。
心ひとつで、どんなことも楽しんでいける。
それが、人間だ。