もうひとつの電気スタンドは、寝室の枕元に置いてある。
椅子が同じなら、並べるのが素敵だが。
あいにく、揃いではない。
電気スタンドは、タッチで、二段階の明るさになって、便利だ。
最近は、家は住んでいるが、近隣の人とは、一枚、離れている。
以前は、友好的にいろんな人との交流があったが、今は断っている。
だから。
しばしば、どうして、この道を通らなくなったのか、とか、
薄暗い時間に犬の散歩に行っているのかと
聞かれることが多い。
そんなときは、曖昧に笑って、ごまかしている。
あなたたちに、とりわけ、あの男性たちに会うのがイヤだからですよ、
とは言えまい。
家は素敵な仮住まいだ。
そして、ゆっくり休むと、町に、生き生きと出かけていく。
若い人たちと会うのは楽しいし、話題も面白い。
時間をそちらに遣いたい。
天気とか、健康とか、どうでもいい話に時間を費やしたくない。
つまり、私は生き生きと暮らしたいのだ。
隣人に好奇心と、妬みをもつ人々と、交わりたくない。
やっほーと暮らしたいのだ。
曖昧に愛想よく付き合うのは、相手にも失礼だと思う。
また、そんなことができないのが私の性格だ。
実は。彼らには、まったく、興味がない。
そんなこと、ご本人たちに言えないものねえ。
そして。そのような状況とは、裏腹に。
今、別の世界が広がろうとしている。
今、悩んでいるのという本音の付き合いが始まったのだ。
私が本音だから、本音が出てきたのだと思う。
あの天敵すら、私に相談してくるようになった。
つまり。真剣に生きている人が周りに集まってきている。
生きていることは、楽しい。
そして、つまらない人は、私の周りから、去ってもらいたい。
いや、その前に私から、去ろう。
誰からも忘れ去られても、私は自分の世界を創るだろう。
そんな気がしている。
