太養パンさんの入り口に飾られていた宿り木。

店主が山から、採ってきたそうだ。

 

一度、太郎との散歩のとき、公園のそばの道で小さな宿り木を

拾ったことがる。

欲しかったので、嬉しかった。

 

嬉しいと言えば、太郎。

今日は、大好きな美容師さんが迎えに来たので、気が狂ったように、

喜んでいた。

 

主人にそのことを話すと、「それはよかったねえ、喜んでいたんだ」と

感想を言ったので、私は、「あまりに露骨なので、ちょっと、不快だったな」

と答えた。

 

そう、太郎は、普段は、私に見せる顔、姿は、

じいさん犬のつまらなそうな顔なのだ。

 

ときどき、私の顔をじっと見ている。

それは、嬉しい顔ではなく、不可解なものを見るような目なのだ。

余計なお世話だ。