「olde」さんで買ったアーティチョーク。
普通の花屋さんではあまり、見かけない。
静かな夜になった。
夜になるとNHK FMの藤田美保子朗読の太宰治著の「津軽」を聴いている。
若い頃は、太宰が好きで、いろんな本を読んだものだが。
今は、なにやら、恥ずかしい気持ちが先立つ。
「津軽」を聴いていても、さっぱり、覚えていないのだが。
彼の繊細な中にも赤裸々な人間描写は、時として、顔を赤らめるほどだ。
あまりにも、人間に対する愛情が溢れているというか、
あからさまなような気がする。
私は、時として、クールと思えるような方がカッコイイと思う。
あとから気が付いたら、いいよねと思うくらいの距離感が好きだ。
そんな私も自分の気持ちには率直に行動している。
心配があれば、電話したり、手紙を出したりする。
誕生日と聞くと、花を届けたりする。
「誕生日」と聞いて、「ふーん、そう」というわけにはいかないのだ。
私自身にも、太宰治的なところがあるのだろう。
それが、太宰に惹かれたところでもあり、離れたところでもあるのだろう。
幸い、大いなる才能にも恵まれてないし、愛情も深くはない。
だから、入水することもないだろう。
愛情も厄介なもので、深すぎると、日常が破綻する。
が、彼が愛情が深かったからこそ、今でも日本人の心を動かすものがあるのだろう。
この簡単に人を殺めるようになった時代にすら。
森山直太朗が唄ったように。
人を殺めるよりも、自分が死になさいと。
それには反論があるだろうが。
太宰はある意味、潔かったと言えよう。
