朝一番のラジオから流れるニュースは、両親を殺したという子どものだった。

彼に言ってあげたい。

いつまでもあると思うな、親と金。

肉親というのは、近いだけに愛憎が交錯する。

若い頃の考えは、思い詰めるものだ。

が、考えてみれば、通常のことであれば、親が先に亡くなるものだ。

親が先に亡くなる、それまで、待て。というのは、

あまりに的外れなアドバイスだろうか?

 

愛することができない場合は、しばしばある。

そんなときは、離れるのがベストだ。

家出を勧める。

 

若い頃はどうにもならないと思ったことが、齢を重ねると、なんていうことはないと思えるようになる。

 

私も母親とは、うまくいかなかったが。

亡くなってみると、淡い思い出になる。

 

私の今の突拍子もない失敗も、母のDNAかもしれない。

 

世の中は、なんとかなるということを若い人に伝えたい。

そして、若かった頃の自分に。

あの頃、私は将来に対する獏とした不安で、行き詰まっていた。

 

今は。なんとかなると知った。

なんとかしてみせるという根性もついた。

 

生きていてよかったと思うのは、こんな時だ。