「私は政治家ではない。(中略)まったく単なる一芸術家にすぎない。そこで問題は、芸術が一つの気晴らしで、人間生活の欄外の玩具であるべきか、それともその本来の人間的意義を保持すべきかということだ。
政治的な諸機能は、芸術家のあずかり知らぬことだが、私の考えでは、
人間の権威ということが問題になるときには、芸術家も、どんな犠牲を払っても立場をはっきりさせなければならないのだ」
(J・M・コレドール著『カザルスとの対話』佐藤良雄訳、白水社)
第二次世界大戦で、スペインの独裁者フランコに断固として反対の意志を示したパブロ・カザルスの言葉。