或る隣人の老夫婦から、古い小さな家を買った。

その売買には、相手方の不備があり、二年もかかった。

その間には、私側が頼んだ不動産やさんを罵倒する、私を罵倒するなど、数々のことがあった。

売買が決まっても、おばあさんが地域の温泉場で、売買の話をみんなに話して、町中の噂になった。

聞かれる度に、さり気なく、説明をしなくてはならなかった。

腹が煮えくり返るというのは、このことだ。

が、なんとか、凌いで、乗り切った。

 

さて、今年の挨拶。

 

ちょっとした年賀のタオルと、蜜柑。

これを届けるのが、けっこう、勇気がいった。

 

なにもそこまで、することはないだろうという自分と、それでも、そんなことでも、関係がうまくいくならという自分との葛藤があった。

 

が、それも乗り切った。

笑顔で。

 

そんな自分にごくろうさまと言いたい。

相手が変わらなくても、自分が変わればいいんだ。