毎日新聞の12月17日には、東京工業大学教授・中島岳志氏の「学術会議問題を考える」というインタビューが掲載されている。

それは、今の菅内閣の手法を解き明かしたものになっており、驚愕に値いする。

 

学術会議の6人を任命しなかった菅首相の狙いは。

忖度を加速させることにある。理由は明かしていないこと(6人を任命しなかった)がポイントだ。

理由を明かさなかったことで「あの発言が引っ掛かったのではないか」「いやあの発言だ」と周囲が詮索する。

明確な理由を提示されないほど、忖度は加速される。

 

菅さんの繰り返し使ってきた手法である。

総務省時代の2007年に総務省の課長を交代させ、NHK改革の主導権を握り、会長人事に介入し、世論を味方にして、NHKを骨抜きにした。

 

実際に監視しなくていい。

監視システムを見せるだけでいい。

要するにチェックしているなと思わせることが重要だ。

そうすれば、皆が服従する。そんな社会が目前まで来ている。

 

見出しには、「服従、学者の次は国民」とある。

こういう手法はあっという間に国民に向けられると思った方がよい。

 

2020.12.17.毎日新聞より趣旨をまとめました。

 

あまりにも、納得できる論説でした。

NHKが、まったく、今の政府を論評しなくなって、久しい。

どんな、おかしいことをしたとしても、その事実を落ち着いて伝えるのみである。

彼らは、国民から受信料を取っていることを忘れ、政府に忖度しているのだ。

 

私は、反NHKでもなんでもないが。

彼らは、どこを向いているのだろうかと考える。

報道人として、やりがいがあるのだろうか。

と共に、菅さんの恐ろしさを感じる。