きょうの聖教新聞には作家であり、歴史小説家の
安部龍太郎氏のインタビューが一面でした。
要旨を抜粋しました。
―今回のコロナ禍による危機について、どのように捉えていますか。
(今回のコロナ禍の原因は、ウィルスと共存いしていた「自然の領域」に、人間が踏み込んだことによって、自ら感染症を引き起こしたのです、と)
こうした背景には何があるか。私は、人間の”自分さえよければいい”という「エゴイズム(利己主義)」が招いた結果だと考えています。
エゴは、自然や他者、揚げ句は未来からの「収奪」をもたらします。
今の生活の豊かさを追求するあまり、地球の資源を搾取し、子や孫の代まで負担を押し付ける環境破壊は、自然や未来からの収奪の最たる例でしょう。
また人類は、他者からの収奪のために醜い争いを繰り返してきました。
その根底には他者に抱く「敵意」があります。
人類の最大の弱点は、こうした「エゴ」や「敵意」といった感情を制御できないことにあると、私は長年、主張してきました。
だから有史以来、戦争や紛争が絶えず、ついには核兵器の開発・使用にまで行き着いてしまったわけです。こうした感情を克服でくなければ、
人間自身が滅亡の危機を迎える。
人類がエゴと敵意を克服しなければ、グローバルな時代の感染症は乗り越えられない―今回のコロナ禍は、そういった本質的な課題が突きつけられているのではないでしょうか。
聖教新聞2020.8.19より抜粋しました
長文なので、全部は書ききれないことをご了解ください
