増田俊男の時事直言

増田俊男の時事直言

世界をグローバルな視野で直視してきた
増田俊男の「目からウロコ」のレポート

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日本は世界最大の「改正保留国」
先ずは参議院の廃止


立法を非能率化している最大の原因は全く不要な参議院の存在です。
同じ法案を何故衆議院と参議院で審議する必要があるのでしょうか。
衆議院は男性のみ、参議院は女性だけと言うなら分かりますが、特に違いの無い両院で同じ法案の審議は不要です。参議院は「良識の場」などと言われますが、与野党には良識のある人と無い人がいるとでも言うのでしょうか。どうしても国会に良識の場が必要なら、参議院議員の立候補者は「良識の国家試験」の合格者だけとし、また有権者も参議院議員の投票資格試験の合格者のみにしたらいいのではないですか。しかしそんなことは出来ない相談ですから、参議院は廃止するしかないと思います。
やはり国会は一院制にすべきでしょう。本当は衆議院議員の立候補者も有権者も資格試験を義務付けるべきだと思いますが、まあ、無理でしょうね。
このままでは国会の機能と質は下がるばかりでしょう。

首相公選

首相は公選にして任期を4年から5年にすべきでしょう。
与党が変わっても首相は変わらない、言わばアメリカの大統領並みの強大な権限を与えるべきです。毎年首相が変わるようでは他国から相手にされなくなります。実は5月28日の日本経済新聞に出ていたのですが、IMF(国際通貨基金)が169カ国のデータをもとに不安定な政治が経済に与える悪影響を調べた結果がありました。それによると、なんと日本のように毎年一度ならず二度も首相が変わるような国ではGDP(国内総生産)が2%も下がるそうです。日本の政治が安定すれば日本にはまだ2%の潜在成長率があることになります。
日本の首相がアメリカの大統領並みになったら日本の国際的評価は上がり日本は名実ともにアジアの大国になるばかりか景気も良くなるでしょう。
小泉政権は5年以上続き、景気は「いざなぎ景気」を超すほどでした。

憲法第9条

日本最大の癌は憲法第9条です。
政治最大の使命は国家と国民の安全です。
現在日本の安全は片務条約(アメリカは日本の安全を守るが日本は守れない)である日米安保に頼っています。つまり日本の対外的国民の生命・財産はアメリカに依存しているのです。鳩山由紀夫氏のように「日本はアメリカの属国」という言い方もあるでしょう。
自衛隊は憲法第9条の「専守防衛」の原則に縛られて軍事力を持っていながら日本が敵国から攻撃を受けるまで使えません。その為日本の国境周辺の資源は潜在的に相手国の資源になろうとしています。

第二次大戦の敵国

日本は第二次大戦終戦後まだロシア、北朝鮮と平和条約を結んでいません。
従って国連憲章の「敵国条項」の適用を受けロシアや北朝鮮が日本は危険であると判断すれば国連安保理の承認なしに日本に対し先制攻撃をすることが認められています。では何故日本は今までロシアとの平和条約を拒み続けてきたのでしょうか。答えは「小冊子」(Vol.36)をご参照ください。
日本には改正しなくてならないことが他にもたくさんあります。
それは将来へ余裕を残していることで、日本は世界の最有望国と考えることも出来ます。
「日本の失われた20年」に従うオランド(仏)大統領
(本稿は日本の指導者やオピニオン・リーダー必読)

先進国は今、、


今週中にお送りする「小冊子」(Vol.36)の冒頭で述べていることがある:
「今後先進国の経済成長は低迷したままで伸びることはない」。
高成長を続けてきた中国、インド、ブラジル等「新興国の経済成長は今や天井を打って下降線である」。つまり「今日まで続いてきた人類の経済成長の歴史は終わり低成長時代になってきた」のである。
先進国(民主国家)の政治は民意迎合、ポピュリズム志向に陥り高福祉国家を目指さざるを得ず、結果いずれの国も恒常的債務過剰国家になっている。

欧州債務危機の原因

欧州連合諸国、中でも南欧諸国の債務問題の原因の第一は政治の福祉志向。
第二はドイツやフランスと生産性と競争力が著しく異なる欧州諸国が同じ通貨(ユーロ)で10年有余同じ市場で競争を続けてきた事実である。
ドイツ、フランス以外の国は今後経済主権を放棄してEUに財政統合しなければ経済破綻する運命にある。メルケル首相が主張する財政規律を高失業率とマイナス成長(不況)に苦しむ南欧諸国に強制すれば、経済はさらに疲弊し、財政悪化スパイラルの悪循環に陥ることは自明である。オランド大統領の主張する成長と雇用の促進には財政出動が不可欠である。しかるに過剰負債、高失業率、不況下での財政出動は欧州経済存亡にかかわる「バクチ」である。しかしメルケル首相の財政規律一点張りは債務危機救済どころか財政崩壊必至。ならば欧州の選択肢はオランド大統領の「バクチ」しかないことになる。

ギリシャの運命は欧州の運命

ギリシャがEU(欧州連合)から与えられた第二次金融支援の70%が年内に実行されることから6月17日の選挙後の新政権は何としても年内はユーロに留まり課せられた財政規律を守ることとし、かつオランド大統領が主張する(既存の金融支援に加えて)財政支援を求めることになるだろう。しかし来年になるとギリシャは過酷な財政規律条件を到底実行で出来なくなるので国債デフォルト危機が再々燃する。来年は「仏の顔も三度」は無く、EUもIMF(国際通貨基金)もギリシャ支援は出来ない。結果ギリシャはユーロ離脱、新ドラクマ通貨採用に追い込まれる。しかしギリシャのユーロ離脱で世界の市場に波乱は起きない。何故なら来年までにギリシャもEUも世界市場もギリシャのユーロ離脱、新ドラクマへの切り替えの準備を終えているからである。ギリシャは他の南欧諸国のモデル・ケースである。

日本の「失われた20年」は「失われなかった20年」であった!

2008年9月15日のリーマン・ブラザーズ・ショックの直後、米FRB(連邦準備理事会)のバーナンキ議長は「日本の失われた20年を轍にして、、」と言って日本が1990年代のバブル崩壊後、財政支出(無駄な公共投資と言われて批判された)を繰り返したが低成長のままで長期にわたってデフレに陥ったことを「日本型モデル」と称し、注意をしなくてはならないと警告した。
白川日銀総裁は、最近の講演で「日本型モデルは間違っていたとは考えていない」と発言、さらに金融政策の限界に振れ、「金融緩和は時間を買っているに過ぎない」と述べている。90年代に日本が無駄な財政支出を続けていなかったら間違いなく日本経済は恐慌に陥っていただろう。就業者数減少、高齢者増大という成熟社会の構造下で低成長を維持するにはゼロ金利と無駄な公共投資の連続しかなかったのである。やがて日本のような成熟社会になるアメリカや欧州は「日本の失われなかった20年」に従うべきである。にもかかわらずFRB議長バーナンキ氏は、すでに成長時代が終わっているにも関わらず「何とかの一つ覚え」で白川日銀総裁の言う「時間を買うに過ぎない」金融緩和を何度も繰り返している。我々はバーナンキFRB議長よりはるかに優れた見識を持つ白川日銀総裁を誇るべきである。
今欧州もアメリカ経済も丁度90年代のバブル崩壊と同じ状況にある。FRBとECBは相も変わらず金融緩和で債務危機の先送りを続けている。
オランド大統領はバーナンキ議長やメルケル首相と異なり「失われなかった日本の20年」に従って「恐慌に陥らない為の無駄な財政出動」を求めている。
今先進国が、実体経済に顕在需要が無い中で無駄な財政出動に踏み込めば企業と国民の懐に余分なカネが流れ込み、企業は無駄な設備投資を、国民は無駄な消費に走るから必ず景気は良くなり、結果財政バランスシートは改善される。
市場活性化の為の金融緩和はカネが中央銀行と市場の間を空回りするだけで、一部の金融プロはとてつもない儲けをするが、企業も国民も恩恵を受けることはなく、やがて財政はさらに悪化する。不況から脱出する時はバランスシート等と言う財務省の書類のことは忘れることが肝要である。無駄な財政支出が必要になっている時、消費税・増税に「政治生命を掛ける」等という首相は殺人をも厭わぬ麻原彰晃(財務省)の愛弟子のようなものだ。
欧州債務危機はメルケル首相の財政規律とオランド大統領の財政支出の歩み寄りや折衷案では解決不能!欧州債務危機は財政悪化を恐れぬ徹底的な財政出動による無駄な公共投資しかない!成長が止まった時、成長を期待するには「無駄」を期待するしかない。資本主義経済においては常に「無駄は美徳」なのである。
NATO(北大西洋条約機構)シカゴ会議閉幕

5月20日と21日に米シカゴでNATO首脳会議が開かれアフガニスタン安定化についてISAF(アフガン国際治安支援部隊)の出口戦略を確認した。
2013年いっぱいでアフガンの治安任務を現行政権(カルザイ大統領)に移管して米軍をはじめ参加国(約50カ国)の軍隊は2014年までに撤退すると言うもの。アメリカは参加国に2014年まで駐留することを求めたが、フランス、オーストラリアは2013年の完全撤退を通告、他の諸国もフランスに追従し2014年前に撤退することになりそうである。

したたかなオランド フランス大統領

ISAF撤退後の2015年から現政権が治安を維持するには41億ドルが必要とされ、この捻出について協議したがアメリカや日本を除いて申込があったのはドイツ、イタリア、カナダ、英国、トルコ、パキスタンだけで分担金額は目標額の五分の一の8.1億ドルであった。欧州ではドイツがアフガン支援には最も積極的でフランスは最も消極的である。フランス軍はドイツの反対を押し切って2013年に完全撤退を決め、他国の早期撤退に拍車をかけている。
フランスは昨年NATOの名のもとにリビアの反ガダフィ勢力を短期、集中的軍事支援し新政権樹立を助け事実上リビアの原油利権を手中に収めたので今や役目の終わったNATOを脱退し次なる世界戦略に移ろうとしている。中南米、アフリカ、アジア、太平洋にエネルギー、鉱物資源、食糧資源の利権獲得活動を展開している中国と、これを阻止しようとするアメリカの同盟国連合との戦いの漁夫の利を得ることが次なるフランスの戦略である。近く行われるフランスのNATO脱退宣言は欧州の債務危機に加えて欧州の新たな政治危機に発展するだろう。

アフガン参戦の目的は正義ではない

2001年9月11日NYとワシントンD.C.で起きた同時多発テロ(9/11)の直後(10月)ブッシュ政権はアルカイダの首領ビン・ラーディンを匿ったとしてアフガンのタリバン・イスラム政権を軍事攻撃し、アメリカのパイプライン会社を代表してタリバン政権とパキスタンのカラチ港までのパイプライン敷設権の交渉をしていたカルザイ氏を大統領に仕立てて今日のアフガン政権を樹立した。NATO加盟国や非加盟国がISAFへ参加し今日まで資金と人命を犠牲にしたのはテロとの戦いと言う「正義」は表向きで本当の「目的」は石油の宝庫カスピ海周辺からカラチ港(パキスタン)までのパイプラインの利権確保である。1979年ソ連(当時)のアフガン侵略の目的も同じであった。今回のシカゴ会議で、オバマ大統領が「アフガン安定化は完璧ではないが、、」と言ったようにISAFはアフガンのタリバン勢力平定に成功出来ないから利権の根源となるパイプライン敷設は難しい。資金と人命の犠牲が無に帰したことが明らかになったのを見てフランスのオランド大統領は2013年にフランス軍の早期撤退することを選挙公約に掲げたのである。今後参加国は続々と早期撤退に踏み切り、参加国に今後のアフガン治安資金協力を期待するのは難しいだろう。
もしカラチまでのパイプライン敷設が成功すれば原油生産量のシェアが落ちるのはサウジアラビアをはじめアラブ産油国で、OPEC(石油輸出国機構)の国際経済への発言力と国際原油価格に対する影響力が低下することは明らかである。だからアルカイダやタリバン勢力の資金源はサウジ等中東産油国なのである。
7月に東京で、日本が議長国になって「アフガン支援に関する国際会議」を開催して「41億ドルのアフガン支援金集めに各国の協力を求める」などと玄葉外務大臣はNATOのアフガン部会で述べているが、「ドロボーに追い銭」を集める責任を負わされたようなもの。
フランス大統領オランド氏の爪の垢でも煎じて、もう少し日本の国益の為になることは出来ないものだろうか。