暗い海の向こうに花火が見えた。
二人言葉もなく、じっと見ていた。
少し前
全身全霊を持って抱いた。
「その瞬間」彼女は泣いていた。
どんな意味の涙だったのかあえて訊かないことにしよう。
たぶん、いろんな感情が交錯していたのだと思う。
どの位の時間が過ぎただろう。
ふと我にかえると、そろそろ帰る時間が迫っていた。
身支度をする彼女を後ろからぎゅっと抱きしめる。
熱いキス。
なかなか離れられない僕の耳元で
「帰りたくないよ・・・ でも帰らなくちゃね」と彼女。
帰宅中、何度もハートマークがついたメールのやり取り。
まるで小中学生。
いい大人のはずなのに、一気に気持ちが加速する。
でも家に近づくにつれて、だんだんと冷静を取り戻す。
そして家族への罪悪感。
罪悪を感じるくらいならはじめっからするなよ、と別の僕が囁く。