ボイス&スピーチ/アクティングトレーナー 西村長子 -5ページ目

ボイス&スピーチ/アクティングトレーナー 西村長子

今や本質を問われる時代。
インプットとアウトプットのバランスが問われ、「個」としての、ものの見方や考え方が求められています。
「声」や「話し方」そして「演劇」という角度から個をサポートします。

自分の声を好きな人、嫌いな人。
滑舌の気になる人、
自分の話し方が気になる人。
プロを目指す若者たち。
プロの話し手。

「声」からその人達の人生が見えてしまうので、
数年前までの私は、ついつい手をかけすぎてしまい、
小さいことに目を向けて、いちいち細かい注意を
転ぶ前にしていたように思います。

 

転んで気づくことも大切なときがある。
今はそう思っています。

 

相手に介在をしすぎる。ということは
相手を信じていなかったということです。
そしてそれは自分を信じていなかったのだと思います。

 

大切なことをしっかりと伝えたあとは、
ご本人の意志と行動にお任せしようと決めてから
生徒様との関係が大きく変化しました。

心配をして追いかけることも、
転ぶ前に手を差し伸べることもしなくなりました。
自分の人生の主導は自分です。

 

なりたい自分を強く持っているかたには
精一杯の力を注ぐのは今も変わりませんが
より一層、その方の力を、信じることにしたのです。

 

「声」や「話し方」には、
その方の人生と今が刻み込まれています。
ということは、

「声」や「話し方」を変化させていくことは
人生を変えていけるということでもあります。

特に「声の出し方」には大きな力があります。

 

人生の中で出会ってしまった不幸な出来事や
聞きたくなかった言葉で、自分の殻に閉じこもってしまった人。
自分の存在を知って欲しいという強い思いから
大きな声を出してしまうようになった人。
自分を殺し、どんな人とも上手く、嫌われまいと
まるでカメレオンのように自分を変えてしまった人。
自己中心的な政治家や医者、教師…

 

根本の声は嘘をつけないということを
今年は改めて実感した1年でした。

今年は障害を持った方達のレッスンもさせて頂きました。

軽い障害があって、
50音の滑舌が上手くいかないけれど、
プロになりたいと願う男子。
強度の弱視を持つ女の子。
「障害」という壁を回りに作られてしまうことの怖さを
彼らを通して改めて考えさせられました。

人は、自分が想像できない場面に来ると、
相手を「自分とは異質なもの」として捉えがちですですが
これは、逆を言えば、障害を持っている人たちに
「自分は出来ない」ということを植えつけてしまうことにもなります。
こうしたように、障害の有無に関わらず、
周りのコトバで信じ込まされることが、沢山ありますね。

公平に扱うということは、どういうことでしょう?

日本の教育は、
いわゆる障害者と健常者の統合教育からは遠く離れたところにあります。
私が彼らに強く言ったのは
「自分の障害に甘えずにいこう」ということでした。
「自分の個性を出していこう」ということでした。

少し厳しかったですが、

「先生みたいに分け隔てなくちゃんと言ってくれる人はこれまでいなかった」と言われたとき、
彼らは自分で自分に、いじめも、言葉の暴力も、差別も…
「障害があるから仕方がない」と言い聞かせてきたのだと分かりました。

こういうことも、障害の有無に関わらずありますね。
私には、〇〇を受け取る資格がない。
私には、愛されるわけがない。
私には、出来るはずがない…等々。
こうしたことは外側の人間が植えつけてしまうことが多いので
私たち自身が意識していくことが大切です。

3ケ月かけて、
彼は毎日、滑舌の練習をしました。
まだ少し、ラ行は苦手だけれど、
今ではスラスラと50音を話せるようになっています。

これからの人生を沢山考えた今年。
たくさんの方々に、声や話し方をお伝えしながら、
自分も成長をさせてもらえていることに
心から感謝して、来年を迎えたいと思います。

ブログを読んでいただきありがとうございました。
良いお年をお迎えください。