🐾愛犬の選択肢を増やしてあげる
そして、もちろんあなたの愛犬も同じです。
どこで寝ようかな?何を嗅ごうかな?他犬に近づこうかな?など、たくさんの選択をしています。
しかし、人間に管理されている動物は、選択の自由がどうしても少なくなってしまいます。
例えば、寝場所。
犬用ベットとトイレだけのサークル内で、留守番をしている犬には、寝床の選択の自由が少なく、実は我慢しているかもしれません。
暑ければ、涼しい場所に自ら移動する。
寒ければ、布団に潜り込む。
地面より高いところで寝るのが好きな犬もいれば、窓際が好きな犬もいる。
暑いも寒いも犬の感じ方次第であり、どこを好むかも犬次第です。それを、人間がはっきりと理解することは困難です。
つまり、犬が快適に暮らせるためには、可能な限り犬が選択し、行動し、良い結果を獲得できるようにしてあげる必要があります。
🐾他犬に吠える犬は、選択肢がなかったから
例えば、散歩中に他の犬をみると吠えてしまう犬がいますよね。
しかし、彼らは最初から吠えていたわけではありません。
「吠える選択肢以外ない」と飼い主さんが誤解させてしまったのです。
相手に対して吠えたり、攻撃したりする場合は
当然ながら反撃されるリスクがあります。
犬にとって怪我をすることは、致命的です。
なぜなら『病院』という概念がそもそもないからですね。
「怪我をしても治してもらえるから大丈夫」そんなことを犬は考えないです。
それでも吠えるということは、それだけ切羽詰まっているとも考えられますね。
そして、その原因をつくってしまうのが、残念ながら飼い主さんの勘違いの可能性があるのです。
それによって愛犬の選択肢を狭めてしまい、吠えてしまうことがあります。
🐾飼い主の選択が愛犬の選択を変える
散歩中に、他の犬に会うと
通常は「動かずじっとする」「その場を離れる」「相手に近づく」という選択肢が生まれます。
これは、飼い主と犬の両方がそれぞれ選択できることです。
例えば、あなたの愛犬が他の犬を見て、じっとしていたとしましょう。
あなたはこう考えるかもしれません。
「あなた:うちの子、相手の犬をじっと見てるわね。挨拶させてあげようかしら」
一方で犬はこう考えているかもしれません。
「犬:なにだろあいつ?大丈夫か?なにするかわからんから様子見するか・・・」
さて、この後に飼い主さんが『他犬に近づける』という選択をしてしまうとどうなるか?
犬は「まってまって!やめて!まだ近づきたくない、なに考えてんだよ!」となりかもしれませんね。
しかもリードがついているのでその状況から逃げられません。
そして・・・
「くそ!こうなったら吠えて相手を追い払うしかない!」
となるわけです。
飼い主は挨拶したいのだと思っていたので動揺することでしょう。
気持ちが乱れるとそれを鎮めようとして、愛犬にたいして「こら!なに吠えてんの!!」と叱ってしまうかもしれませんね。
こうなってしまったら、もう最悪です
犬は無理やり近づけさせられ「様子をみる時間もなく」「離れることもできず」
最後の手段として吠えたのに、それによって飼い主が不機嫌になるのですから。
結果:
他の犬の存在(刺激) ➡︎ 飼い主に怒られる(嫌悪刺激)を繰り返されることで
なんでもなかった他犬という刺激が、避けるべき不快な刺激へと変わってしまうのです。
そして
【他の犬の存在(嫌悪刺激) ➡︎ 吠える ➡︎ 他犬がいなくなる(嫌悪刺激の排除)】
となっていく仕組みです。
そしてその都度、あなたが叱ると
愛犬は「もっと強く吠えなきゃ」「もっと警戒しなきゃ」と間違えた選択をし、負のループを続けることになります。
🐾必要なのは、あなたのより良い選択
愛犬が他の犬を見ているからといって、なにを考えているのは誰にも分かりません。
であるならば、愛犬の動きを観察し、それに合わせてあげることが必要なのではないでしょうか。
これは相手犬とあなたの
両方の飼い主さんにも言えることですが
愛犬が少しでも離れるそぶりを見せたら、それに答えてあげましょう。
無理に近づける必要はありません。
そうやって、気持ちを汲んでくれる飼い主を犬は信頼します。
距離を取るのが難しければ、トリーツを使って気をそらしてあげても全然OKです。
子犬の頃から、愛犬の選択を尊重して接してあげることで、望ましくない行動を未然に防げるようになります
プロフィール
犬目線向上委員会代表の
【チョコモフ】です。(本名:兼古 ゆうき)
チョコレートともふもふした犬が好きです。
閲覧ありがとうございます✨
●ドッグトレーナー・ドッグビヘイビアリストとして、兵庫県を拠点に活動しています。
年間500頭以上の犬を扱い
愛犬のことで困っている飼い主さまに対して、
行動分析学、心理学、動物行動学などを基盤として手助けをおこなっています。
●警察犬訓練所を卒業後、独立したが罰を用いたトレーニング方法では、お客様だけでなくワンちゃんも良くしてあげることができず、悩んでいたところ
「ドッグビヘイビアリスト」という存在を知る。
当時は日本に5人程しかおらず、ドッグビヘイビアリストの認定を受けるには困難が多かった。
寝る間を惜しんで勉強することで、はれて認定ドッグビヘイビアリストとなる。
http://www.dbca.jp/index013.html
【ドッグハウス〜悠〜】という店名で、ドッグホテル・グルーミングサロンの営業もおこなっています
ドッグホテルでは、広々とした室内ランで他のワンちゃん達と遊んだり、お泊まりの際は、夜間でもドッグトレーナーと同じ部屋で、みんな自宅のように過ごしています。
グルーミングサロンでは、他所で断られたワンちゃん達を、多数扱っています。
当店トリマーは現役のドッグトレーナーでもあり、トレーニングしながらシャンプーを行っております。
ブログを始めた理由は、ドッグトレーナー・ビヘイビアリストという存在をもっと身近に感じてほしいという思いと、
犬に関して、多くの人が勘違いしていることを知ってもらうためです。
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『少しでも犬の立場になって考えられる飼い主さんを増やす!』を目標に、日々活動しています♪
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