ある日、書店の新書コーナーをぶらぶらしていたら
『ドッグトレーナー』の文字が、目に飛び込んできた!  
 
たくさん本が並んでいても
職業柄、この手の単語は見過ごさないにやり
 
 
そして、手に取った時には
すでに足はレジに向いていた。
 

 

 

著者: 荻島 大河
2021年8月25日 第一刷発行
 
 
今回は、こちらの本の要約、感想をお伝えできればなと思います照れ
 
 
 

犬牽ってなに?

 

 

「犬牽(いぬひき)」という言葉をご存知でしょうか?

 

わたしは、はじめて目にした言葉でした。

「イヌゾリかなんかか?」と思っていましたね照れ

 

 

ですが、そうではなく

「犬牽」とは江戸時代に活躍し、明治の頃に絶滅してしまった、いまでいうドッグトレーナー集団のことらしいのです!

 

 

江戸時代にもドッグトレーナーっていたんだな…

と内心つぶやき
 
 
「でも、昔のことだから体罰方式のように
犬が言うこと聞かなかったら叩いたりしてたんちゃうの?」うーん
 
 
そう思った自分が恥ずかしいぐらい、
犬牽は犬の権利を尊重し、本能を抑制しないトレーニングのプロ集団だったのです!
 
 
かっこいい〜キラキラ
 

 

犬牽は、「鷹犬」

つまり、鷹狩のサポートをする犬を育成していました。

 

鷹犬の役目は、キジやカモなど獲物を探し出して、隠れ家から出したり、自ら捕まえることです。

 

 

そして、トレーニングする犬の選抜は、なんと

江戸中に生息していた、いわゆる野良犬ガーン

 

 

今のように、人為的な繁殖させることは一般的ではなかったようです。

 

 

その中で、自ら人によってくる個体のみ迎え入れて、鷹犬に育てていたのです。

 
 
 
 

現代に通じる、犬牽の犬に対する考え方

 

 

犬牽は、犬にストレスフリーな生活を提供する

ことを大事にしていたようです。

 

 

それはつまり

けっして野生の本能を抑圧しないということです

 

 

 
 
●犬が不安になっているときは、それを無視せずに慎重に犬のスピードに合わせて、犬に寄り添いサポートに徹するべし。

●無理に人間側の都合を押しつけることなかれ
 
●まるで玩具のように仔犬を扱うことなかれ
 
●擬人化せず、どこまでも野性の存在であると認識せよ
 
●犬側の意思を尊重し、自尊心を持ち上げよ
 

 

 
これが、ストレスフリーな生活の礎になる
と犬牽たちは考えていたようです。
 
 
このように
なによりも犬目線で考え、尽くす姿勢は見習わなければなと感じました照れ
 
 
 

犬牽の最重要トレーニング

 
ほとんどの犬牽が行っていたトレーニングは
"遠牽き"と"擬似狩猟"です。
 
 
遠牽きとは、ひたすら歩く散歩です。
 
ただ、コースは犬が考え、あとはひたすら犬に付いて歩くことになります。
 
犬が行きたい方にいき、好きなだけ匂いを嗅がせ
時には、1日の5時間を遠牽きについやします。

めちゃくちゃ歩きますね!ガーン

 

ですが、「これぐらいの運動量を確保してあげることこそが、最も健康的な心身を犬に提供できる秘訣である」と書かれています。
 
 
 
擬似狩猟とは、文字通り人間が用意した擬似的な獲物を襲わせる狩猟行為です。
 
大事なことは、ダミーの獲物を壊させる(分解して中から食べ物が出てくる)ようにすることだと言います。
 
 
犬牽にとって、犬とはどこまでも野性の本能を持っている存在でした。
 
そのため、人と暮らしていても、変わらずに野性の本能を発揮し、ストレスを発散できるように、このようなトレーニングをおこなっていたのですね。
 
 
そして、この「遠牽き」と「擬似狩猟」で
本能を満たし、犬の心身を自然な状態に戻していたのです。
 
 
その他にも、
●犬の食事とその作法
●犬牽の歴史
●犬を叱るとは?
●鷹犬の健康
 
など「江戸時代のドッグトレーナーがどのように犬の世話をしていたか」が詳しく書かれていますので、興味のある方はぜひ読んでみてくださいニコニコ
 
 
 
日本古来のドッグトレーナー「犬牽(いぬひき)
 
彼らの犬に対する思想は、現代の私たちが忘れてしまっていることかもしれませんニコニコ
 
 
たびたび、愛犬がストレスを抱えて問題行動を起こすのは、
犬を擬人化しすぎて、野性の本能を抑圧してしまっているからなのでしょう。
 
 
服を着せ、毛を可愛く整え、一緒にドライブをして、カフェに行き、布団で寝させる。
 
 
これらを否定するつもりは、全くありませんが
犬牽なら、このように言うでしょう。
 
 
犬は野性の存在である、その権利は守らなければいけない。犬の気持ちを尊重し、犬が恐れ嫌うことを強いないよう、できる限りの世話をすること也
 
  
    

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  プロフィール

 

【兼古 悠揮 かねこ ゆうき】

認定ドッグビヘイビアリスト、JKC公認ドッグトレーナーとして、兵庫県を拠点に活動しています。

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当店トリマーは現役のドッグトレーナーでもあり、トレーニングしながらシャンプーを行っております。

 

 

ブログを始めた理由は、ドッグトレーナー・ドッグビヘイビアリストという存在をもっと身近に感じてほしいなという思いと、

 

犬と人は密接に関わっている動物のはずなのに、あまり良くないしつけ方が当たり前になっているなど、犬の心が置き去りになってしまっている気がするからです。

 

『少しでも犬の立場になって考えられる飼い主さんを増やす!』を目標に、日々活動しています