母が冷たくなっている事に気づいたのは、

夜11時頃。

慌てて息子を呼んだ。

自宅で亡くなった時って、まずどこに連絡するんだったっけ?

スマホで調べた。


警察署に連絡…

と書いてあったので、最寄りの警察署に電話。

状況を説明すると、救急車要請をするように言われた。

そして119番へ電話。

救急車が到着するまで心臓マッサージをするように指示された。

それから10分ぐらいで救急車到着。


まだ身体の中心は温かいからと、機械での心臓マッサージが始まった。機械をつけた状態で救急車に運び込まれた。

注射、点滴と、できる限りの救命措置をして良いかと聞かれたので、お願いした。

でも冷たくなった身体はもう返ってくる気はしなかった。

息子と2人、救急車に同乗して病院へ。

病院に着くと、当直の医師は偶然にも1月に大腿骨骨折の手術をしてくれた整形外科の医師だった。


しばらく心臓マッサージが続いた。


それから数十分ぐらい経っただろうか…。

医師に呼ばれた。

「残念ですが、もう難しいようです。」


「ありがとうございました。」


「午前0時15分、ご臨終です…。」


なんだか突然の事で、この時は涙が出なかった。



(続く)