その日はいつものようにデイサービスへ行き、

帰宅後もいつものように言葉を交わし、

少ないながらもいつものように食事を摂りました。


「寄りかからずに座れるようになったね。」

「少しずつ歩く練習しようね。」


そして、珍しく自ら立ちあがろうとしたので、

向かいあって抱きかかえ、ベッドまで歩かせてみたり…

明るい兆しを感じた夕方でした。


その後仕事へ出かけ、19時頃帰宅した時は熟睡していた?ので、あえて声をかけなかった。


いつもなら21時過ぎにおむつ替えをするのだけど、その日は疲れて眠ってしまい、夜11時前に母の元へ行った。


すると、手が冷たい。

顔も冷たい。


「ママ!ママ!起きてよ!」


帰らぬ人となっていました。


まるで眠っているような穏やかな顔。


人の死ってこんなに突然やってくるのだ…

と思い知りました。


あの時、ああしてれば、こうしてれば…と

後悔する事が山ほど。


でも、自宅のベッドで眠るように亡くなったのは、母にとっては幸せな最期だったのかも…と思うようにしています。


最期の瞬間、一緒に居てあげたかった…

というのが、一番の後悔かな。


認知症発症から約10年。

遠距離介護約7年。

一緒に暮らすようになって丸2年。


大変大変と思っていた介護がなくなってしまい、

心にポッカリ穴が開いたようです。