『怪盗イエロー再び』のこととヤンタン1周年 | チョッキーQ.の『ハロプロ物語 feat. 工藤 遥』

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モーニング娘。を中心としたハロプロに関して自分が思ったことを、日記ではなくエッセイ風のまとまった文章でUPしています。
(鞘師里保と工藤遥の”卒業”など)


のっけから愚痴を零すようで恐縮だが、最近は憂鬱な知らせばかりでちょっと気が滅入っている。ガーン
三遊亭円楽とアントニオ猪木が相次いで亡くなったが、自分の世代にとってアントニオ猪木という人は英雄だった。筋肉
また、ハロプロではモーニング娘。'22の加賀楓が卒業発表をしたと思ったら、私の推しメンであるつばきファクトリーの浅倉樹々までが卒業を発表して、またハロプロを観る楽しみが一つ減ってしまう。ぐすん
それにしてもハロプロでは”25歳定年説”が言われていたが、最近は年齢が下がっているようなのが気がかりだ。
王選手の年間ホームラン記録もヤクルトの村上が更新したことだし、いい加減に中澤裕子の最年長記録も誰かが更新してくれないだろうかはてなマーク

後は個人的な事情を言えば切りがないが、そんな中でちょっと嬉しかったことは、前回の記事でも書いた『怪盗イエロー再び』が10/10のヤン月で採用されたことだ。合格
というわけで、また長くなるがこのネタを全文掲載してみる。



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☆『怪盗イエロー再び』

私立探偵の若月小五郎は都内のあるファミレスで食後のコーヒーを飲みながら前回の事件のことを考えていた。

(若月)「う~む、悪事を重ねて金持ちになった金有氏を逮捕する証拠書類を警察に渡したのはいいが、その有罪を決定する証拠書類が1部抜けていた。どうやら怪盗イエローが持ち去ったらしいが、あんなものあいつには必要ないはず。いったい奴はどういうつもりなんだろう?私への嫌がらせか?」
(工藤)「あの~すみません。私立探偵の若月小五郎さんというのはあなたですか?」

その声に振り向くと、なぜか郵便配達員の制服を着た男が立っていた。

(若月)「はい、そうですけど。。」
(工藤)「あなたに電報が届いています」
(若月)「電報だって!?このメールやLINEの時代にそんなものがまだあったのか?」
(工藤)「そういうこと言うとNTTやKDDIに怒られますよ。まだしっかり現役のサービスですから」
(若月)「しかし、なぜ私がこの店にいることがわかったんだ?」
(工藤)「さあ?たしかにこのお店の客の私立探偵若月小五郎さん宛になってますよ」

そう言って郵便配達員は電文の用紙を若月に手渡した。

(若月)「本当だ。たしかに私宛になっている。…なになに、”アナタガ ホシイモノハ アナタノカバンノナカ カイトウイエロー”だってぇ!」

若月があわてて鞄の中をさぐると、見慣れない封筒の中に例の証拠書類が入っていた。

(若月)「いつの間に誰がこんなことを!?」
(工藤)「では電報はたしかにお渡ししましたから、私はこれで」
(若月)「ちょっと待て!」
(工藤)「は?まだなにか?」
(若月)「まだなにかじゃない。おまえが怪盗イエローだろぅ!!」
(工藤)「な、何を根拠に。。」
(若月)「私がこの店に入ったのは単なる偶然だ。いくら怪盗イエローでも本人が予想できない行動を読めるわけがない。私を尾行してこの店に入ったのを確認してからそのニセ電報を作ったんだろう!」
(工藤)「…な~んだ、またバレちゃったのか。いや、絶対いいと思ったんだけどなぁ。昔読んだ有名なミステリーの中に”郵便配達員のようなどこにでもいる見慣れた人物は、逆に心理的に見えない”って書いてあったんだけど、あれウソだね」
(若月)「あのなぁ。こんなファミレスの店内に郵便配達のかっこうでノコノコ入って来たら、逆に目立ってしょうがないわ!だいたい証拠書類を私に返すのなら、堂々と渡せばいいじゃないか。逮捕されるとでも思ったのか?あいにく警察ではない私は現行犯でないかぎりおまえを逮捕できないんだ。なんでこんな手の込んだマネを?」
(工藤)「まあ何と言うか…”怪盗の遊び心”ってやつかな?それに金有氏みたいな悪い奴はどうしても有罪にしたかったしね」

すると若月は急にまじめな顔になって言った。

(若月)「なあ、怪盗イエロー。おまえの経歴を調べさせてもらったが、小さな居酒屋をやっていたおまえの両親は、悪徳企業にだまされて店をつぶされたのを苦にして2人とも自殺している。だからおまえがああいう連中を憎むのは痛いほどわかるし、そういう悪いやつらからしか盗まないというおまえの信念もある意味りっぱだとも思う。だがなぁ、怪盗イエロー。…怪盗という手段を選んだ時点で、やっぱりおまえは間違っているぞ。そういう悪いやつらこそきちんと警察にまかせて法律の手で裁くべきじゃあ…」
(工藤)「ストップ!お説教ならノーサンキューだよ。だいたい警察がどんなものかあなただってよくわかっているはずじゃない。元警視庁捜査一課にその人ありと言われた若月小五郎警部!」
(若月)「ほほぅ、おまえも私の経歴をよく調べているようだな」
(工藤)「あなたは名刑事と言われていたけど、上司が犯罪の摘発よりも自分の出世のことばかり考えているのに嫌気がさして警察を飛び出して私立探偵になった。でも今でもあなたを慕う部下や同僚のおかげで警察にも強いコネを持っている。そんなあなたが今さら警察にまかせろなんてよく言えたもんだね!」
(若月)「たしかにあの上司たちはクソだったが、そんなのはごく一部の人間だ。現場で働く警察官たちはほとんどが真剣に捜査に取り組んで犯罪と戦っている。…まあ、こんな議論をここでしてもしょうがないな。とにかく、大事な証拠書類を届けてくれたことには大いに感謝しているぞ」
(工藤)「いやいや、どういたしまして」
(若月)「怪盗イエローも今回は何も盗まなかったわけだな」
(工藤)「さあ、それはどうでしょう?」
(若月)「えっ?」
(工藤)「私は実はとんでもないものを盗んでいました。…なんちゃって!」
(若月)「何を…はは~ん、そうか!それは、あなた…つまり私、若月小五郎の心です!とでも言うつもりだろう」
(工藤)「さすが、名探偵!そうです。私が盗んだのはあなたの…サイフです!!」
(若月)「なんだと?…あっ、いつの間に!!おい、サイフなんか盗んだら怪盗でもなんでもないただの泥棒じゃないか!だいたいおまえは悪い奴からしか盗まないんじゃなかったのか?」
(工藤)「やだなぁ~。あなたみたいな貧乏探偵からお金を盗もうなんて思ってないからサイフは返すよ、ほらっ!でも中にあったこのカギだけは、ちょっとお借りするね」
(若月)「そ、それは私の事務所の特殊金庫のカギじゃないか!あの中には私が今まで調べ上げた事件の極秘書類が入ってるんだぞ!」
(工藤)「そう。その中に私の次のミッションにどうしても必要な情報があるんだ。それだけ入手したらこのカギも返すよ」
(若月)「まさか、最初からそれが目的だったのか?たったそれだけのためにこんな手の込んだマネをして…」
(工藤)「だって単純な方法じゃ、あなたはすぐに見破っちゃうじゃない!あなたの事務所に忍び込むくらいは簡単だけど、あの金庫だけはあなたが肌身離さず持ち歩いているこの特殊なカギがないと開けられない。だからあなたと再び接触する機会を作るためにわざと私には必要ない証拠書類を盗んだり、郵便配達の衣装を用意したりして、大変だったんだから。”なるべく手の込んだ奇抜な方法を使った方が、その裏にある単純な動機を隠しやすい”ってことも何かのミステリーで学んだことだけどね。じゃあさっそくあなたの事務所へ行って”あんたのお宝いただくぜ!”してくるから、後はよろしくね!」
(若月)「待て!そんなことをさせるもんか。事務所の近くの警察に電話しておまえを逮捕させてやるぞ!」
(工藤)「そう出来たらいいね。あなたが眠ってしまう前に」
(若月)「なに?…う、なんだか急に眠気が。。」
(工藤)「あなたがさっきから飲んでいたコーヒーにちょっと眠くなる薬を入れておいたんだ。じゃあね、いい夢見ろよ!アデューー!!」
(若月)「ま、待て!…おのれ、怪盗~~!!」

探偵は大声でそう叫んだつもりだったが、その時はすでに夢の中だった。そしてそれに続けてかすかな寝言が…

(若月)「ムニャムニャ…貧乏探偵で悪かったな!」


       -Fin-


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今回もカットしないで全文採用してくれたスタッフには感謝。そして何度も言うようだが、2人ともこんな長いネタを初見で読んでいるのだビックリマークびっくり

しかもやたら長台詞が多いので途中でイントネーションをどうするべきか迷っている個所もあったようだが、何とか演じ切ってくれたのは「さすが女優さん!」と拍手を送ろう。拍手
内容をちょっと補足すると「郵便配達員のようなどこにでもいる見慣れた人物は、逆に心理的に見えない」というのはG・K・チェスタトンの『ブラウン神父の童心』という短編集の「見えない男」という作品の中心トリックだ。
いや、こんなことを書くとその作品のネタバレになってしまうが、これはあまりにも有名な話で「本当に郵便配達員は心理的に見えないか?」がいろんな所で議論されているので、この作品をネタバレしない内に読めたミステリファンはほとんどいないというような作品だ。あせる
もう一つの「なるべく手の込んだ奇抜な方法を使った方が、その裏にある単純な動機を隠しやすい」の方は特定の作品ではなく、複雑に見えた謎も解かれてみれば意外と単純な理由だったというのがよくできたミステリのパターンだということだ。うずまき

ところでこの作品を思いついたきっかけは、『ルパン三世 カリオストロの城』の銭形警部の名セリフをもじったギャグ「いや、あの男はとんでもない物を盗んでいきました。あなたの…サイフです」「サイフかよ!心じゃないのかよ!」というしょーもないネタから設定を広げていってできた物なので、どぅーの演技で「サイフです」の前でかなりタメを作って強調してくれたのは大正解ビックリマークと思って嬉しかった。グッ
ともかくこれで怪盗イエローを工藤遥に演じてもらいたいという私の願いは叶ったので大満足だ。ラブラブ
ただ、ちょっとショックだったのは、どぅーが前回の宮本佳林が演じた『怪盗イエローと消えた宝石の謎』をチェックしていなかったことだ。アセアセ汗
レギュラー番組を休んだ時の放送って、気にならないのだろうか?とも思ったが、実はモーニング娘。には昔から”他のメンバーの仕事をあまりチェックしない”という伝統のようなものがあった。くるくる
安倍なつみはファンの間では有名な辻希美の”ニワトリの物まね”を知らなかったし、田中れいなは自分がレギュラーのラジオ番組の別の曜日をガキカメコンビが担当していることをリスナーの投稿で初めて知った。アセアセ
そこへ行くと工藤遥は他のハロメンや過去の共演者の舞台などをよく律儀に観ている方だと思う。音譜
つい先日も「藤本美貴20周年記念!大感謝ライブ」を観に行ったついでに同期の飯窪春菜や大先輩の後藤真希とともに飛び入りゲストまでしていた。晴れ

 

舞台や映画、テレビなどをチェックしてもラジオまでは手が回らないのかもしれない。どぅーはおそらくRADIKOのプレミアム会員にはなっていないのでMBSラジオをチェックできないのだろうと思う。

 


まあそれはともかく、去年22年ぶりに復活した「MBSヤングタウン」もめでたく1周年を迎えた。クラッカー
ヤン月もモーニング娘。と乃木坂46というオポジションのアイドルグループ出身者同士がこんなに息の合った暴走気味に盛り上がる番組を1年も続けてきたのは奇跡と言ってもいいが、それはこの2人の人間性のおかげだろう。キラキラ
まずは1周年おめでとう!!そしてこれからも末永く楽しませていただきたい。虹
 

 

 

 

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