昔々のそのまた昔・・・
世界は二つの国に分かれていました。
それぞれの国は
長い年月の間お互い交わることもなく、
いつしか敵対するようになってしまったのです。
長い国境をはさんでにらみ合う二つの国。
そのひとつ、
カタシータ国の王子アレックスは勇敢な男でした。
彼は隣国との対立を終わらせるために
大軍を率いて国境を越えました。
しかしそこにはもう一つの国、
カターサナイ国の美しき王女デルフィーネが
やはり強大な軍隊を率いて待ち受けていたのです。
聡明な王女は
無謀な戦いで多勢の命が奪われてしまう事を
避けたかったので、
アレックス王子に話し合いの機会を求めました。
若く、血気盛んなアレックス王子でしたが
民たちを大事に思う気持ちは王女にも負けません。
「話し合いに応じよう」
ふたりは両軍の真ん中にある大きな丘の上で
会う事になりました。
アレックス王子は、
約束通り従者を二人だけ連れて丘へ向かったのです。
約束の場所で先に待っていたデルフィーネ王女は、
やって来たアレックス王子を見て驚いてしまいました。
すらりと背が高く、引き締まった身体、
エメロンな髪(意味不明)…
その上かなりのイケメンだったから。
一方の王子も、
丘の上の王女を一目見て雷にうたれてしまったのです。
軍隊を率いて闘う程の
勇猛な女戦士だとばかり思っていたのに、
目の前にいるのは
優しい目をした、華奢で小柄な若い娘だったから。
ふたりは出会った瞬間に恋に落ちました。
当然話し合いも上手くいき、
二つの国は敵対する事をやめたのです。
まもなく王子と王女の交流が少しづつ始まり、
やがてひとつの大きな世界になりました・・・とさ・・・
…って、あ~っ、、まどろっこしい!
えっと、ようするに人類はもともと
ふたつの種族がいたんじゃないかと思うんデスよ。
かたづける種族(カタシータ国人)と
ちらかす種族(カターサナイ国人)が。
ときどきテレビで
「かたづけられない女」みたいのをやってますが、
それとはちょっと意味が違いマス。
あれは単に
「かたづけられない人がいる」っていう“状態”ですよね。
そじゃなくて、
「かたづける種族」っていうのは
“かたづいてるのが基本”
の世界の人っていう意味で、
「ちらかす種族」っていうのは
“ちらかってる状態が基本”
の世界の人っていう事デス。
「かたづける種族」にとっては
「かたづいてる」状態こそがニュートラルなのです。
彼らには「かたづいてる」ことが一番自然な状態なので、
ベクトルはいつもかたづける方向に向いています。
水が高い所から低い所へ流れるように
「かたづける」わけです。
…っていうか、かたづけざるを得ない。
だって、それが自然だから。
反対に「ちらかす種族」では
「ちらかってる」状態が一番“自然な”ことであり、
彼らにとっては「かたづいた」状態っていうのはむしろ
ものスゴく不自然なことなんですyo。
( ̄▽ ̄)
え~っとね、
何が言いたいのかっていうと・・・つまり・・・
娘の部屋がきちゃないのよ!
(T▽T;)
なんかね、スゴく散らかってるんですけど
本人は全然へーきみたいで。
あまりの混沌ぶりに強制的に掃除させると、
床に置いてあったゴミを机の上にかたづける…っていうか
オィそれっ!混沌が移動してるだけぢゃん!
…みたいなことになるし。
どうやら
「かたづける」っていう
概念自体がよく理解できないみたい…。
おいおいそこっ!
タンスの中がほとんど空なのに
床に洋服をバラバラ並べるんじゃな~い!
仕方なく親が手伝って、
なんとか床が全部見えるくらいにかたづけてみる。
でも…
あっという間に混沌復活!(>0<)
魔法使いの弟子か!あんたわ!
こりゃもう「かたづけられない女」とかいう話ぢゃない~!
・・・最近やっとわかったんデス。
彼女にとって「かたづいてる」状態っていうのは
スゴく「不自然」なんだ、という事が…。
きっと娘の前世は
かなり生粋のカターサナイ国人だったに違いない。
もしかしてデルフィーネの血筋の者か…。
ちらかった世界こそが楽園であり自然な世界。
世界の安定のためには
ちらかってる事こそが重要なのだね、きっと。
ま”、親は私ですけども
(^▽^;)
遠い昔、
ふたつの国がひとつになったおかげで
「カタシータ人」と「カターサナイ人」ふたつの種族が
一緒に暮らすようになってしまった。
時が流れ
それぞれの種族が混じりあってはいるけれど、
「カタシータ人」の血
「カターサナイ人」の血は、
それぞれ消える事なく残っているのだ!
・・・・・・・・・・・・
何もないかたづいた部屋に入ると、
妙に違和感を感じて落ち着かないあなた。
もしかしたらそれはきっと
遠い昔の祖先の血が
現代に蘇ったからなのかもしれない・・・。
優しいお味のクリームあんみつでございます。杏の酸味がほんの~り効いて、バランス良く仕上がってる感じ。和風のスイーツって、なんだかホッとしますな~。