昭和後期のお話し…
中学生だった僕は音楽に目覚めて色んな楽器に手を出し始めた。
学校では吹奏楽部でラッパを吹き、家では兄のフォークギターを触らせてもらったり古くからあった母親のオルガンを弾いてみたり。
程なくシンセサイザーに興味を持った僕は地元の楽器屋さん(LM店)に出入りする様になった。
購入するなんて夢のまた夢なので展示している楽器を眺めるだけ。
その頃の展示品はK社のPolysixやR社のJUNO-6など(地方の楽器屋さんなので超高額な輸入シンセなどは無かった)。
まだ試奏する勇気もなくて、ただただ眺めてニマニマして。
カタログをもらって帰って隅々まで何度も読んだ…書いてる内容はチンプンカンプンだったけど(笑)。
でも、そんな日々が凄く幸せだった。
シンセ以外にも楽器屋さんに展示されているものは全て僕をワクワクさせてくれた。
様々な形や色のギターとかガラスケースの中に整然と陳列されているカラフルな四角い物体とか…
まだコンパクトエフェクターが何をするものなのかも良く分かってなかったんだけど、何故か見てるだけで本当にワクワクした。
楽器屋さん通いを続けてる内に店員さんが話しかけてくれる様になった。
でも中学生の間は「客」ではなく、ただ展示品を眺めに来るだけのガキでしか無かったんだと思う。
その事が少し心苦しかった。
高校生になった春、小さい頃から貯めてたお年玉を使ってTOKAIのストラト・キャスターを買った。
シンセは高額で手が届かなかったので、取り敢えずは4万円ほどのギターを買った(節操が無いw)。
これで僕は、その店の「客」に昇格(笑)!
これまで以上に堂々と楽器屋さんに入り浸った。
客に昇格した(と思い込んだ)僕は、ずっと弾いてみたかったシンセを遂に試奏し始めた。
凄く楽しくて遠慮なく店頭で弾き倒してた。
店員さんも嫌な顔をせず楽器の話とか音楽の話とかしてくれて…その楽器屋さんは僕の1番の遊び場になった。
その内に常連客のギターさんやベースさんとも顔見知りになり、ほとんどが年上の人だったので演奏も上手で、いつしか店頭でセッションをする様になってしまった(笑)。
お店にとっては迷惑だったかも知れないが…でも店員さんもセッションに参加することがあったので気にせずセッションを楽しんだ。
そして…その出会いがやってきた。
高校2年になって暫くした頃…店頭に突然現れた見慣れないシンセサイザー。
コンパネにスライダーやツマミ類が殆どない驚きのデザイン。
その後の音楽シーンに多大なる影響を与えることになった名機「YAMAHA DX7」。
早速試奏して…衝撃的だった。
今まで聞いたことの無い独特な金属系の音。
鍵盤タッチで音量が音質がコントロールできる。
エレピの様な音をピアノの様に演奏できる。
金属系以外にもシンセリードやジャズギターっぽい音や…演奏と出音が気持ちよくリンクする。
弾くのが楽しすぎてセッションでも燃える燃える(笑)!
高校生の僕にとってシンセを買うなんて夢でしか無かったけど…この楽器はいつか絶対に手に入れるんだと強く決意したのでした。

