僕が新卒入社した会社は、当時の社長を始めとして役員以下社員のかなり多くを日大OBが占め、ある意味日大は社内の最大学閥であった。その会社に僕の入社何年間後に社会人アメフトチームができ、アメフト選手も何人も入社してきた。当然選手入社組の中にも日大アメフト部出身は何人もいた。アメフト部採用とは言え社内での身分は正社員であり、もちろん彼らもそれぞれ社内の各部署に配属されていた。その当時僕がいた販売流通部門にもである。つまり日大アメフト部OBの何人かと、僕は職場の同僚として直接関わっているわけで…。アメフトという競技にさほど興味があるわけではないが、彼らが選手としてプレーする会社のチームの試合を観戦に行ったことくらいはもちろんあるし、目の前で同僚のガッツを見せつけられれば熱を入れて応援したものである。 ──そんなふうに、直接の仕事仲間として日大アメフト部OBと関わってきた僕にとって、今回の悪質タックル及びその後の各方面への波及が決して他人事に思えないことは言うまでもない。問題の監督やコーチは、元同僚たちの現役時代とは別人だし、彼らの時代の指導内容とか部の体質とかは決して報じられてる内容と同じではないのかも知れないが、それでも彼らはさぞかし恥ずかしい思いだろうな、と思わずにいられない。 当初は単なるスポーツ競技中の反則行為にすぎないと思われていたこの話、監督やコーチの関与のみならず指示が疑われたり、実際に当事者の選手を始め他の部員からもそれを裏付ける証言が出てきたり、また件の監督が大学本部の上部組織である理事会の常務理事という要職にあったことで、単なる一運動部の問題ではなく、大学組織の体質の問題に発展してしまったのだが、そんな事態の重大さを当の大学側が全く認識しておらず、監督とコーチは責任を一選手に押し付けて見え透いた言い逃れしようとしたり、司会役の広報担当がまるで世間の空気を読めないどころか記者会見と言うものの趣旨さえもわかってないような恫喝をしたり、記者会見に登場した学長のコメントもピントがズレまくってたり、関学側に送った書面でのコメントもまた同様な内容で余計に関学関係者を起こらせたり、等々…、被害者側が被害届を出して警察も動き始めてるという世間の動きとの『乖離』が甚だしい状況が日を追うごとにどんどん露呈していったのだった── 当然、当該監督やコーチの出処進退は大学内だけにとどまらず、スポーツ連盟からも重い処分がくだされるに至るわけだが、大学自体も読売ジャイアンツとのスポンサー契約が解除になったり各地のプロ野球球場という球場から日大の広告が撤去されたりと、司会者の強気な断言とは裏腹に、日大ブランドはダダ下がり、この状況はまだまだ歯止めがかからないと思うぞ…。 当然ながら日大内部にもそれら大学当局側に批判的な証言してる人はたくさんいるようだし、大学組織内では上下関係の圧力で黙らせることができたとしても、それら批判的な人たちはそうした組織の庇護を捨てて告発するはず(件の『実行犯』学生も自らの罪も認めた上でアメフトから身を引く決心でのあの記者会見になったわけだし)だから、学外にまで自分たちの威光は及ばない。世論全体の中では完全に自分たちがアウェイだからね。学生数日本一のマンモス大学だからもちろん卒業生数も日本一なわけで、恥ずかしががってるOBは膨大な人数に上るぞ。 ちなみに日大には危機管理学部なんて学部があるらしい。危機管理として最悪の事例、反面教師としての絶好の教材を、自校の首脳部自ら提供してくれるだなんて──尤も大学組織内にあってはそんな教材使いたくても使えないだろうけどw |