大阪府において入学式や卒業式で国歌斉唱時の起立の義務化及び違反した教職員の処分基準の条例化について以前こちらで書いた。それにあたり当時の橋下大阪府知事(現大阪市長)は「ルールを守らない教職員はいらない」と語っていたが──その大阪府内にある高校で先日行われた卒業式で教職員が「君が代」をきちんと斉唱しているか、教職員の唇チェックを校長が指示していたことがわかり、物議を醸している。 この高校の校長は橋下前知事の学生時代の友人で、弁護士出身。民間人校長として採用されたとのこと。この時のチェックの結果、3人の教員の口元が動いていなかったという。校長が直に問い正したところ、そのうちのひとり「今までも歌っていなかったし、今回も立てばいいのかなと思っていました」と歌っていなかったことを認めたという。校長はこの教員に対し「単なる注意でいいのでは」と判断したらしいが、府教委では戒告処分に当たるかどうか検討していると報じられている── で、このニュースであるが、新聞記事の論調やニュース番組でのキャスターやコメンテーターの発言などを聴いてても、批判的な方向へ持っていこうとするものが多い。まあそれ自体は当初より想像はついていたのだが…、しかしその批判の中身が「悪い人を探すようなことばかりに集中するのが教育現場の中で本当にいいことなのか」「人のアラ探しをする教師を見て子供はどのように感じるのか」「そんな環境で育った生徒は上目遣いで周りを見て保身を図る、そんな大人になってしまわないかと」などなど…。ルールを守らなかった教師が被害者で、そのルール違反を咎めた校長が悪者みたいないい方である。このニュースを報道してる人たちはガチでそう思ってるの? 密かに抜き打ちチェックはイクナイ──あの日、あそこの道路で"止まれ"の赤い旗と青キップ持って立ってたおまわりさんに「こっそりチェックなんて卑怯だぞ!」って被害者面してなじってよかったってことなんでせうかw この「悪い人探しはよくない」論理でそれをやった校長を報道の場で吊るしあげ──これってカツアゲしたことをチクられて職員室に呼び出し食らった不良グループがチクった生徒に「てめえ、きたねえぞ!」と集団リンチを加えるのと、どっか違いますでしょうか? いじめの現場を目の当たりにしてもそれをチクるのは卑怯、という印象を生徒たちに植え付けてるのと同じなわけで、ましてや学校教育の現場でこれがまかり通ってしまうのでは学校からいじめは永遠になくならないよな…、なんて思ってしまう。それをマスコミが報道の場で大衆に向けて臆面もなく堂々と言ってしまうという状況って一体何なんだ! で、この口元チェック報道なのだが、ネットの記事をいろいろあさってみると、上記の問題のレベルではおさまらないとんでもない悪質なものである可能性が窺えるのだ──そもそも国家斉唱を職務命令として出したのは他でもない教育委員会であり、それを受けて校長は、斉唱の有無の確認方法について教育委員会に相談し、方法の指導を受けたのだという。ところが教委トップである教育委員長がこの問題では先頭に立って校長を批判しているというひどいありさま。そしてそれを受けての偏向的なニュース報道である…。上述のいじめの例で言えば、いじめられた当事者の生徒が被害を職員室に訴えたら逆に教師たちがいじめっ子と一緒になってさらにひどいいじめを加えてきた、みたいな話である── これらのことと、この校長が橋下大阪市長の友人であるということを考え合わせると、ますます学校内のいじめの構図と似通ってきてしまうのだが──報道側が橋下氏の政治手法の問題に対してどれだけ批判的なスタンスであろうと、それとこれは別個の問題として報じるべきであろう。そんなルールも理解できない頭だから、本来条例で定められたルールの遵守の問題以上でも以下でもないこうしたニュースにもおかしな反応になってしまうのだろうか? |