この表題は、もちろん欽ちゃん球団のことを言ってるのである──遠征先の函館で、試合の前夜にチームメンバーであるお笑い芸人(当時。今回の件で所属事務所が下した即日解雇という決定にはいろんな事情があるようだが、この記事の本題ではないのでここではあまり突っ込まない)が警察に被害届が出されるほどの不祥事を起こしたのを受けて、茨城ゴールデンゴールズの萩本欽一監督が、取材記者に囲まれて「大好きな野球だけど…、やめることにしました」と、一度は球団解散を表明した(というか、感極まって勢いで口をついてしまった、というのが本当のところなんだろうな)ものの、その後の地元や後援者、ファンなど各方面からの「やめないで!」「球団を続けて!」という熱烈な声に答えるカタチで球団解散は撤回、チームは存続されることとなった── この茨城ゴールデンゴールズというのはクラブチームで、監督が欽ちゃんとはいえ決してお笑い芸人主体のお遊びチームというわけではなく、選手たちはみな他に本業(もちろん芸能界以外にも一般のカタギの仕事についている人もいる)を持ったりアルバイトをしたりしながらチームに集って野球を純粋に楽しむ同好の仲間である。今回の函館だけでなく全国各地にある同じようなクラブチーム間での全国大会なども開催されており、各地のファンと試合を通して交流している。萩本欽一や件の事件のお笑い芸人などのネームバリューだけでなく、チームの紅一点の女の子がアイドル的にメディアによく取り上げられてる(確かに可愛いけど^^;)こともあって、知名度ばかりが先行してるイメージは否めないけれど、でもそれで野球のクラブチーム全体の認知度アップと活性化に結びついている(ここんとこ人気低迷気味の本家プロ野球をしのぐ勢いらしい)のは事実だし、それもありなのかな、と──しかし、そんな知名度というのも諸刃の剣なんだな、と今回の件で少なからず感じさせられたのだった。 まず、茨城ゴールデンゴールズはプロ球団でもなければ企業チームでもない、一般の社会人たちで集う同好会である。不祥事を起こしたのがお笑い芸人ではなく普通のシロウトの選手だったら、監督が欽ちゃんではなく一般人だったら、果たして解散するのしないのという大騒ぎにまで発展していただろうか? その騒ぎの発端となった事件にしても、函館発で全国ニュース、それもスポーツ紙1面を飾るほど大きく報じられただろうか? そして、地元やスポンサーはともかく、一般の人たちから「やめないで!」などの声援が多く届いただろうか? その声援に応えるカタチでの解散撤回にあれほどの称賛を得ることができただろうか──それもこれも、いずれもネームバリューの成せる技。欽ちゃん球団は知名度に足元をすくわれかけたが、それを救ったのもまた知名度なのであった。 ──だが、知名度に足元を、と言ってもそれは決して非難轟々のバッシングの嵐で、という意味ではない。考えてみればこんな風に知名度を持つ人物や団体の動向には、称賛と同じくらい反感がついて回る場合が多いのだが、今回の欽ちゃん球団の件に関しては、メディア上であまり批判や中傷に該当しそうな記事やコメントを見かけない。その辺はやはり欽ちゃんの人徳というものなのだろうか…。こんないい人のチームで活躍しながら、件の芸人はなぜ素行を慎むことができなかった(これ以前にも何度か似たような問題で写真週刊誌沙汰になっている)のだろうか? 記者に囲まれて欽ちゃんが件の芸人に向けて言った「バカって言いたい」「チームなくなっちゃったよ」などのコメントも、言う人によっては嫌味に響きそうなところなのだが、欽ちゃんのそれには悪意もトゲも全く感じられず純粋に残念そうな響きしかなく、それだけに今回の事件が余計に惜しまれてしまうのである。 ともあれ、チームが無事存続することになったのはよかった。欽ちゃん球団も含め、クラブチームの野球には個人的にあまり興味はないのだが、チーム存続はよかった、これは正直にそう思います──欽ちゃんいい人なんだもん。 |